「忍者」とは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
大久保彦左衛門の『三河物語』が伝える伊賀忍者の役割
「忍者」とは何か(4)伊賀者の役割と忍びとしての使命
高尾善希(三重大学 人文学部文化学科 准教授)
実際に伊賀、甲賀の忍者はどのように戦っていたのか。江戸時代初期に書かれた『三河物語』などを見ると、彼らはまず突撃をして戦況の打開を図る役割を担っていたことが分かる。また、彼らは姿を現わして情報収集を行う「陽忍」、姿を隠して敵陣に忍び込む「陰忍」という両方の活動をしていたという。いずれにしても、「生きて情報を持って帰る」、これが彼らの使命であった。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分50秒
収録日:2019年8月27日
追加日:2020年2月6日
≪全文≫

●大久保彦左衛門の『三河物語』に登場する伊賀忍者


―― 前回、伊賀の人が江戸初期までスカウトされていくことについての話をお聞きしましたけど、実際、どのような戦いを伊賀者、甲賀者がしていたかということについて、どんな史料が残っているんでしょうか。

高尾 彼らが戦況を左右する重要な人たちであったということは間違いないんですが、下級の武士団なので、必ず史料にしっかりと残っているというわけではありません。ただ、そんななか、例えば大久保彦左衛門という人がいます。彼は3代将軍家光のご意見番として、講談ではよくたらいに乗って江戸城に登城したという話として出てくる人ですね。

 彼は実在の人物で、『三河物語』という本を書いています。その本には、徳川家の成立から徳川家康が天下を取った後まで、いろいろと書いてあります。意図としては、三河者の功績をちゃんと書きとめておこうということで、戦争で頑張った人たちに三河者たちがいたんだということを忘れないように書かれたものなんですね。

 太平の世の中になると、算盤勘定、すなわち事務がよくできる武士が出世していきますが、そうした者ではなく、実は徳川幕府成立には三河出身で戦争の得意な者がいて、かなりの功績を残したということがいろいろと書いてあるんです。そのなかに、三河国に出稼ぎに来ている伊賀者(伊賀衆)のことが書かれています。


●戦における伊賀者の役割-突撃をかけて戦況打開


―― それは何年ぐらいの話ですか。

高尾 徳川家康のことを竹千代と書いてありますので、おそらく家康がまだ幼かった頃ですね。

―― そのぐらいの時代からもうすでに伊賀者が入っていたということですね。

高尾 そうですね。家康のいとこに当たる人が刈谷城の城主だったんです。現在、愛知県の刈谷市に刈谷城というお城がありますが、そこが家康のいとこに当たる水野家のお城だったんです。つまり、その水野という人が城主でした。本には、今川方が忍びを雇って、伊賀者(伊賀衆)を雇って、刈谷城に攻略をかけるという、そういう場面が出てきます。そこでは80人から90人ほどの伊賀者が攻め込んだと書かれています。そして、城主の首を切り落としてしまうんですね。

 その伊賀者が入るだけでそのまま落城するかというと、そうではありません。まず伊賀者が入城し内部を混乱に陥れた後、城主の首を切り落とし、内側か...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子