「忍者」とは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
伊賀・甲賀に忍者が多い理由とは
「忍者」とは何か(3)伊賀・甲賀に忍びが多い理由
高尾善希(三重大学 人文学部文化学科 准教授)
伊賀・甲賀地域は山城が多いという地理的要因から近隣の大名も攻めにくく、小さな武士集団が乱立していた。天正伊賀の乱で伊賀勢は織田信長に滅ぼされるが、逃れてきた者たちのなかで特殊技能を持つ忍者たちが下級武士団として召し抱えられていく。フィクションの世界ではライバル関係として描かれることの多い伊賀忍者と甲賀忍者だが、実際には同盟関係を結び、情報を融通し合っていた。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分25秒
収録日:2019年8月27日
追加日:2020年1月30日
≪全文≫

●伊賀・甲賀に忍びが多い理由


高尾 忍術書というものがあります。忍術書とは、忍術を書いた本なのですが、全て江戸時代のものです。そのなかで割と早い時期のものが『万川集海(まんせんしゅうかい)』という忍術書で、17世紀の中頃のものです。

―― これは、17世紀中頃ですから、江戸幕府ができてから50年後ぐらいの時期ですね。

高尾 そうです。その頃に『万川集海』という忍術書ができました。そこに素朴な疑問として、伊賀・甲賀地域に忍びが多いのはなぜかということについて書いてあるんです。何と書いてあるかというと、まず伊賀・甲賀地域は大きな大名がいないので、いわゆる内戦状態になるんです。そこに住んでいる人たちというのは、小さな武士集団で、その小さな武士集団が戦い合って、その過程で奇襲に長けた、あるいは情報収集に長けた忍者、忍びが出てきたということが、『万川集海』に書かれています。


●大名家も手こずった伊賀・甲賀の武士集団乱立状態


 これは本当なのかということで調べてみると、伊賀・甲賀地域は、他の地域に比べて山城の数が格段に多いんです。

―― ということは、それだけそこを拠点にしている小さな武士集団が多かったということですね。

高尾 そうです。小さな武士集団が数多くいる、そういう土地柄だったのでしょう。それ自体なぜなのかという問題もあるんですが、おそらくその地域は山勝ちの盆地で、大きな勢力が入らなかったんだろうと思います。それは天正伊賀の乱で織田家が攻め込むまで続くことになるんですが、周りの大きな大名家も攻め込むにはとても面倒なところだったのでしょう。

―― 確かに、例えば忍術的な技能もあれば、これはなかなか攻め込むのが大変ですよね。

高尾 それもありますね。

―― 要するに独立独歩の領主がたくさんいて、しかも特殊技能を持っていると思うと、もし攻め込んでゲリラ戦になってしまったら、けっこう手を焼くということですね。

高尾 そうです。天正伊賀の乱でも織田勢は手こずるんです。それ以前に大きな大名家が山を越えてやってくるというのは、当時はトラックもバスもない時代ですから、なかなか大変なんですね。そういう地域ですので、小さな武士集団が乱立して常に内輪もめをするような状態になってしまったため、そういう忍びの術に長けた集団が出てきた...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己