独裁の世界史~ローマ編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ギブ・アンド・テイクの関係にあった古代ローマの貴族と庶民
独裁の世界史~ローマ編(3)元老院貴族と庶民の関係
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
ローマの共和政を支えたのは300人の元老院貴族だが、彼ら自身をそれにふさわしく磨いたのは何だったのか。また、元老院貴族の新陳代謝はいかに行われ、庶民との関係はどのように結ばれていたのだろうか。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分23秒
収録日:2019年12月19日
追加日:2020年5月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●息子の教育を人任せにする父を「恥」と考えたローマ人


―― 権威を身につけるための教育システムというと違和感があるかもしれませんが、前回の「父祖の威風」以外に、ローマで元老の立場の人たちが切磋琢磨するような場というものは何かあったのでしょうか。

本村 元老院貴族が「父祖の威風」を教えるということは、「子どもへの教育は自分(親)がやるもので、他の人に頼むものではない」という考えがあったからでしょう。もちろん、ある程度は人に頼むところもありますが、基本的には、男の子に対しては自分(親)、特に父親が教えるということです。

 当時は学校などという制度がありません。あったとしても家庭教師のようなものでしょう。父親ができることは、それなりに自らやっただろうけれども、不得意なことは誰か他の人に任せるということになる。それでも、基本はやはり父親が息子を教育する。それをしないで全部人任せにするのは恥ずかしいことだ、というぐらいの気風があったらしいです。

 だから、父祖の威風のなかには、祖先の実績を学ぶだけではなく、父親がそのように直接教育することも含まれています。水泳を教えたり、剣術を教えたり、そういうことも全部含めて、基本的には父親が教えるということなのです。

―― 父親が教えるというのは面白い点ですね。

本村 ええ。


●土地の運用を軸とした貴族の新陳代謝


―― 元老院については、前回「王侯貴族の集まり」のようだというお話がありました。そうは言いながらも、続けていくうちには当然うまくいかないところも出てくると思うのです。元老としての権威を失っていく家系もあれば、新興の貴族も現れてくる。こうした新陳代謝は、どのように進められたのでしょうか。

本村 それは、古い氏族たちのなかには、だんだん資産をなくしていくような人も出てきます。古代ローマの社会の基本は農業ですから、土地を持っていることが大きな資産になります。しかし、その土地もいろいろと運用をうまくすれば儲かるけれども、そうでない人たちであれば失っていくこともある。そういうことで、長い間には大土地所有者になっていく人たちもいれば、土地をどんどん失っていくような人たちもいるということです。

 それに対して新興貴族たちは、どちらかというと商業交易で儲けるようになってきた人たちです。彼らは儲けで得た資産を、基本的に土...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(2)オトポール事件と極東ユダヤ人大会
オトポール事件と極東ユダヤ人大会の真相…失脚覚悟の決断
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理