ポストコロナ、日本の指針
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ウェブ会議の普及がもたらす日本社会の構造変化
ポストコロナ、日本の指針(2)社会的実装への道のり
うまくいってもいかなくても、ことが終わると「もう終わったこと」になってしまうのがこれまでの日本だった。その意味では、国や企業がポストコロナにおいてどこまでやれるかが問われている。ウェブ会議の普及は、その点を変革する可能性があるのだろうか。(全5話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分36秒
収録日:2020年5月29日
追加日:2020年7月4日
≪全文≫

●日本社会のなかで「発言」し続ける大切さ


―― 小宮山先生、前回の(小林会長の)お話について、いかがでございましょうか。

小宮山 ほとんど異論のないところです。特に感じるのは、小林さんが今の産業界のなかで、「辛口」も含めて常に発言を続けてこられた人だという点です。私も、大学時代から今に至るまで発言することを続けています。

 いくつか、「これはちゃんと明らかにしなくてはいけない」とおっしゃいましたが、そういうことが今回は非常に多いですよね。例えば、「なぜ日本だけがPCR(検査)をこれだけの件数しか行えないのか」、また「それにもかかわらず、死亡者が少ないのはなぜか」。明らかにしなくてはならないことが、いくつもあります。さらに政策についても、場当たり的で効果としては乏しいのではないかと思って、私はそう発言しています。ここが非常に重要です。

 今、小林さんがおっしゃった「実装しなくてはいけない。議論のときは終わった」ということについても、実をいうと、もう30年ほど前からいわれてきた話です。今回は本当にこれができるかどうかが問われているのだろうと思います。

 今までであれば、「現在はコロナ危機で非常なピンチの状態だから、みんなが一緒にやらなければいけない」と言われた。そのようなときに何か発言すると、「みんなが協力しなくてはいけないときに、非難めいたことを言うべきではない」という人が日本では多く出てくるのです。


●「言うだけでやらない」体質が問い直されるとき


小宮山 その結果、うまくいってもいかなくても、ことが終わると今度は「もう終わったことなのだ。みんなが一生懸命やったのだし、今さらいいではないか」と言って終わってしまうのが、今までの日本の流れです。太平洋戦争もそうでした。

 こういうことにならないように、本当にこの後は必要なことを明らかにして、それを社会実装していくことです。そのうちの一つがマイナンバーです。私も国の委員会に関わっていましたので多少責任がありますが、いくら言っても「言うだけでやらない」姿勢を国は続けてきたわけです。この後のポストコロナでは、本当にどこまでやれるのかが問われていくことを、小林さんのおっしゃることを聞いていて本当に同感いたしました。

―― 小林会長、いかがでございましょうか。

小林 まさに「なんとなく伝える」ことの難しさとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一