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鮮明になった「カーボンニュートラルな社会」実現の大変さ

ポストコロナ、日本の指針(4)地球環境を守るために

概要・テキスト
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、「三密」とともに「不要不急」の行動を避けることが求められた。だからといって、閉じこもっているだけでは活路は開けない。そこで考えたいのは、人間にとって一番大切な「自由」を守るために重要なことは何か。また、コロナの影響で世界中が経済的ダメージを受けるなか、CO2の低減量はそれほどでもないというデータがある。CO2の削減は非常に大事な課題だ。地球環境を守ることに思いを致すアフターコロナにしたい。(全5話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12:05
収録日:2020/05/29
追加日:2020/07/18
≪全文≫

●産業の大部分が「不要不急」となると、どうなるのか


―― シリーズ冒頭の小林会長のお話では、ポストコロナの今後について、例えば「KAITEKI」という価値観を含めていろいろご提示いただきました。今度は小宮山先生のほうから、ポストコロナの日本はどういう進路を進むべきかというお話をいただければと思うのですが、いかがでございましょうか。

小宮山 小林さんが最初におっしゃったように、今回のウイルスはグローバライゼーションという人類の大きな発展に対する、いわば警鐘のような意味で出てきたところがあります。しかし、私はだからといって引き返すべきではないだろうと思います。

 例えば今、「不要不急のことはやめろ」という形になっているけれども、産業構造を考えてみたら、そうなると結局GDPもほとんどなくなってしまうという話になります。

 だから、そうではない形を求める。典型的なのが観光で、観光は人の「旅をしたい」欲求をかなえています。人間にとって「動く」ということが本質だからです。それは懲役のような刑罰を考えてみれば分かることです。あれは移動の自由を奪うことで、結局「移動できない」ということは、人間の本質的な自由を奪うことです。それはやってはいけないことでしょう。

 ではどうするかというと、やはり科学技術で、キットのようなものを用いて国境管理を完璧に守るわけです。ウイルスを持っている人と持っていない人をちゃんと識別するような科学技術を駆使して、観光を維持していくということです。


●コロナの経験によって「人間とは何か」の枠組みは変わるのか


小宮山 また、これは少し我田引水になりますが、日本がずっとやってきた、資源を輸入して加工して売る「加工貿易」というものを大きく捉えていくと、歴史的にも自給に向かうという大きな流れはあると思います。エネルギーは再生可能エネルギーだという形で。

 これを実現するインセンティブが、コロナによって加速されると私は思っています。そして、企業がグローバライズして海外で稼ぐことも、もちろんやればいいわけですが、国内を強くした上で海外とも仲良くする構造をつくらないといけない。それは、まさにプラチナ産業をつくることなのです。

 具体的にいうと、近代一次産業と再生可能エネルギー、健康・自立産業、教育、観光、それらに対するインフラ産業。こういったものが国内を...
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