ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
あのまま存命なら「原・ハーディング」ディールの可能性も
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(4)新世界としてのアメリカ
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
およそ100年前のアメリカの大転換は、大英帝国的な国際協調主義を取るウィルソン大統領の姿勢に反発し、ヨーロッパとは異なるアメリカという自己意識を追求する人々に呼応する形で生まれた。この転換は、現代アメリカの姿勢にもつながっている。原敬は私費留学によって、アメリカの重要なハートランドである中西部を観察し、独自のアメリカ観を培っていた。彼を失ったことは、当時の日米関係に大きな影響を与えた。今回より3話にかけて単独講義後の質疑応答編をお届けする。(全6話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分37秒
収録日:2020年6月11日
追加日:2020年9月10日
≪全文≫

●ヨーロッパとは異なるというアメリカの自己意識


―― ありがとうございました。ウォレン・ハーディングは、暗殺されたなどといわれていますが、在任期間が短かったので、日本ではあまり馴染みがない大統領ですね。しかし、非常に重要な期間なわけですね。

東 非常に重要ですね。

―― 日本としては、日英同盟の破棄や、ワシントン会議、初めての世界的規模での海軍軍縮条約などで外交的に大きく動揺しました。それから何よりも、日本で反米が生まれるきっかけとなった排日移民法のもとをつくった人ですね。

東 そうですね。

―― そのような意味では、非常に重要な人なのですね。

東 そうなのです。

―― 重要なポイントとして、ウッドロー・ウィルソンの国際協調主義、大英帝国のように一つの世界全体を統治する仕組みに対する、アメリカ人の反感があったのでしょうか。

東 そうですね。やはり国際秩序をつくって維持することに、アメリカはまだ慣れていませんでした。この方法は、どちらかというと大英帝国的、帝国主義的なものなので、やはりアメリカ建国のDNAには全く合わず、直感的に何かおかしいという思いが、当時のアメリカ人にはあったのです。その反動として、非常に抽象的で、中身がほとんどないアメリカファーストというスローガンにアメリカ人はつられたのです。

―― そこに熱狂していくわけですよね。

東 そうですね。このスローガンへの熱狂に、反知性主義が組み合わさって、ハーディングの当選に至ったのだと思います。

―― 普通の人の常識からすれば、国際協調主義に対して違和感があったという点が最大のポイントですよね。

東 そうですね。

―― しかも当時は、第一次世界大戦の戦時経済の特需で好況に湧いていたのが、変化してきた時代でした。スペイン風邪の流行で、50万人が亡くなりました。また、12万人弱が第一次世界大戦で戦死しました。さらに、それまでの戦争特需がなくなり、不況が襲いますよね。その結果失業率が上がり、ウォール街でも爆破テロが発生します。第一次世界大戦の結果、アメリカは国際社会のメインメンバーになったものの、その反動が噴出してくる時期ですよね。

東 その通りです。

―― そうした状況の中で、世界全体の問題よりも自分たちの生活を考える、アメリカファーストだというスローガンが受け入れられるわけですね。

東 そうです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治