独裁の世界史~ファシズム編
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ムッソリーニの独裁…ファシズムとローマ帝国の栄光
第2話へ進む
ムッソリーニが社会主義者からファシストへと転身した理由
独裁の世界史~ファシズム編(1)イタリア統一とムッソリーニ登場
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
近現代の独裁者といえば、ファシスト党を率いたムッソリーニの存在は欠かせない。当時のイタリアは、ドイツや日本同様「遅れてきた帝国主義国家」として強い指導者を求めていた。だが、ムッソリーニの政治的出発は社会主義者としてのものだった。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分38秒
収録日:2020年1月30日
追加日:2021年3月12日
カテゴリー:
≪全文≫

●社会主義者としてイタリア社会党で頭角を現したムッソリーニ


―― スターリンに続きまして、今回はムッソリーニ(ベニート・ムッソリーニ)のお話をうかがいたいと思います。これもまた独特の人というか、面白い人といいますか。(前回のシリーズで)スターリンの場合は、もともとの政治文化が民主政も共和政もなく、ややもすると秘密主義的な王朝の伝統があった国の中での出来事として描いていただきました。

 ムッソリーニの場合は、もちろんイタリアの人なので、これまで長い歴史的経験を経てきた国に出てきた独裁者というところで、一種独特なところがあるのかと思います。まずムッソリーニをどのように評価されていますか。

本村 彼は若い時、社会主義者として出発して、社会主義的な政策や考え方を持っているわけです。だから、第一次世界大戦などで政治活動をしていく中でも、最初の段階では社会主義の政党に入っていて、その中で戦争そのものに反対する立場でいました。

―― もともとイタリアの社会党に入って、活動していますよね。

本村 その後、ある時期からむしろ戦争賛成派に変わってしまうところが、彼の大きな転機だったと思います。つまり、彼は理想主義的な意味での社会主義者だったのかもしれないけれども、現実路線を考えると、理想的なことを言っていられなくなったのかもしれません。

 また、その段階での第一次世界大戦は典型的な帝国主義戦争で、領土分割のための方法でした。最初は些細なことで始まったので、とてもあのような世界大戦などにはならないと言われていたのが、最終的にはその背景にあったドイツ帝国と他の諸国との対立が表面化するという形になっていったわけです。

 そういう中で、イタリアにあっても「その流れに乗り遅れてはいけない」というようなことが現実路線としてあることに、だんだんムッソリーニは気がついてきたのではないかと思います。社会主義者でありながら、「理想的なことを言っていられない」というように、周りの国際情勢など、いろいろなことが分かってきたのが、彼の少々変わり出したところではないかと思うわけです。


●遅れて「統一」となったイタリアの近代化


―― さて、私も含めてなのですが、ご覧になっている方は意外にイタリアの近代史について、十分イメージを持っていない方も多いと思うので、あらすじ的にご紹介いただきたいと思...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾