独裁の世界史~ファシズム編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「平等」を基調にした社会主義・共産主義の失敗に学ぶ
独裁の世界史~ファシズム編(7)独裁の意味を問い直す
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
現代社会が直面する難問の多くは国境を越えたグローバルなものである。一国では対処できない問題にどう立ち向かうかということは、これまで考えてきた「独裁」とも密接に関わってくる。未来に向かうには、やはり過去を見つめることが必要だ。20世紀において社会主義や共産主義の試みは失敗したが、それは「平等」を基調としたからではないか。見方を変えて、「自由」を基調にした社会主義や共産主義もあるのではないか。そう語り、本村氏はシリーズ講義「独裁の世界史」を締めくくった。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分36秒
収録日:2020年1月30日
追加日:2021年4月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●グローバルな問題解決を阻むナショナリズム


本村 それからもう一つ、非常に大きな問題としてナショナリズムの問題があります。前回、「開発独裁」という言葉を使われましたが、それはどこの国にも起こってきたことです。イギリスから始まった産業革命がいろいろなところに波及して、今や中国からアフリカあたりまで及ぼうとしています。ただ、それらは結局ナショナリズムという一国単位で起こってきたことです。

 しかし、今起こっていることは、例えば古代にナイル川やティグリス・ユーフラテスの氾濫が起こったようなことです。一部族が一生懸命それを止めようとしたって、できない。だから全部が連合してやらないといけない。今の問題はそういう問題なのだということで、気候変動によって生態系が破壊されたり、ロボット化がどんどん進んでいったりすることは、一国単位で考えることではなく、世界規模で考えなければいけない問題になってきている。

 ところが。そういう視点があまり明らかになっていない。そこで、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が言いたいのは、一つには今言ったように「ナイルの部族やメソポタミアの一部族で解決しようとしたってできない問題」なのだから、もう少し問題をそのようにとらえようということです。

 もちろんナショナリズムが全て悪いというわけではない。ナショナリズムにも、伝統文化を持っているなど、いい面があります。そういうものはもちろんそれなりに大事にしながらも、起こってきている気候変動などを、なぜもっとグローバルなレベルで考えられないのかということに、彼は非常に苛立っているように思いました。そのあたりを、どちらかというと彼は悲観論的に考えているようです。


●「自由」を基調にした社会主義の可能性


本村 さて、もともとは共産主義の理想だと言っても、20世紀の歴史の中で社会主義や共産主義の試みは失敗しました。ただ、それは「平等」を基調とした社会主義や共産主義が失敗したのであって、見方を変えて、「自由」を基調にした社会主義や共産主義もあるのではないかと私は思います。

 そういうものを考えていったときに、デジタル独裁政でも何でもいいですが、ロボットやドローンに仕事をさせて、人間は余った時間を子育てなり自分の趣味なりをのばす時間に使う。そのような方向に動いていけるように、もう少しみんなが自分のやっていること...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(5)否定神学とラカン理論の限界
暴いてはいけない!?心を理解する上で重要な「否定神学」とは
斎藤環
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉