現代中国の儒教復興
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
旧満州で孔子廟を見学! 注目すべき民間儒教の動きとは?
現代中国の儒教復興(2)儒教をどう捉えるのか
中島隆博(東京大学東洋文化研究所長・教授)
中国では、大学を中心とした各立場の儒教論のみならず、民間レベルにおいても儒教復興の動きが活性化しているという。中国のそれぞれの儒教的立場の特徴を知ったうえで、日本に目を転じた時に見えてくるものとは? 中島隆博氏が語る。(全4話中第2話目)
時間:12分54秒
収録日:2014年9月9日
追加日:2014年11月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●大学を中心とした中国の儒教復興の立場―「儒教国家論」と「儒教国教化論」


 中国の大学を中心とした儒教復興の中では、いくつかの立場があり、三つぐらいに分けられるのではないかと言われています。

 一つは、「儒教国家論」という議論をする方がいます。蒋慶(しょうけい)氏がこの議論をされています。ある種、儒教原理主義のようなもので、近代的な政治のあり方はいけないのではないか、伝統的な儒教に基づいた政治を行うべきなのではないか、といった意見です。

 もちろん、単純に「前近代に戻れ」というようなことを今、言えるわけではありませんので、例えば、近代の議会制を維持したまま、その上で「通儒院」をつくる。「通儒」というのは、「儒教に通じた知識人」ということですが、そういった人々を集めた第三の議会をつくるべきなのではないか、という言い方をしています。また、儒教をある種、「憲法の地位」に置くべきではないかという、非常にラディカルな主張をする方もいらっしゃいます。

 そして、二番目もそれによく似ているのですが、「儒教国教化論」です。儒教を「国教」にしようという議論で、康暁光(こうぎょうこう)氏たちが唱えていらっしゃる意見です。これは非常に面白い議論で、政治も含めてあらゆるレベルで儒教化をすべきなのではないのか、という非常に強い主張で、共産党を「儒化」すべきだと言い、マルクス・レーニン主義を「孔孟の道」に代えるというようなことを言っているのです。なかなかラディカルな主張かと思います。

 この二つの立場は、どちらかというと、儒学というよりは儒教ということでしょうか。宗教としての儒教を中心に据えて、国のかたちというものを考え直すといった主張になるかと思います。


●大学を中心とした中国の儒教復興の立場―「市民宗教論」


 第三の立場は何かというと、これは「市民宗教論」というものです。「儒教とは市民宗教である」という、よりマイルドな主張かと思います。

 もちろん、市民宗教というのはなかなか難しい概念で、例えば、典型的なのはジャン=ジャック・ルソーの市民宗教論がありますし、それを継承したロバート・ベラー氏のアメリカの市民宗教論があります。これは、もちろんキリスト教が中心になってはいるのですが、特定の宗教ではなく、ルソーの場合ならば、「共和国に相応しい精神的なバックボーン」が市民宗教...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ