イスラエルの安全保障観に学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
テオドール・ヘルツルによるシオニスト運動の始まり
イスラエルの安全保障観に学ぶ(3)現代イスラエルの建国
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
イスラエルの超能動的国防意識の裏側には、欧米の列強に翻弄された建国への道がある。偏見と迫害から逃れるためには自前の国土を持つしかない。しかし、パレスチナでの近代国家建設には邪魔になる先住者だけでなく、利用しようとかかる手合いもいた。その苦闘の連続を島田晴雄氏が熱く伝える。(島田塾第115回勉強会 島田晴雄氏講演「安保意識と経済活力を考える~イスラエルとブラジルから学ぶもの~」より:全4話中第3話目)
時間:13分54秒
収録日:2014年7月8日
追加日:2014年11月15日
≪全文≫

●イスラエル建国の父、テオドール・ヘルツル


 ユダヤ人の間ではやはり祖国が欲しいと願う声が高まり、近代イスラエル建国の要望が非常に強くなりました。それを象徴したのが、テオドール・ヘルツルという人です。

 オーストリアの新聞記者だった彼は1860年、ハプスブルク帝国のハンガリー、ブダペストに生まれます。ウィーン大学の法学部出身ですが、当時大変な国際都市だったウィーンに家族ぐるみで移住するような裕福な育ちでした。若い頃の彼は、ドイツ民族主義に傾倒し、「ユダヤ人はなぜドイツに同化しないで、私利私欲を追求するのか?」と、ユダヤ人批判を繰り広げていたそうです。

 ところが、フランスで起こったドレフュス事件を目撃したことで、考えが変わってしまいます。ドレフュス事件はご存じかと思いますが、ユダヤ人のフランス陸軍大尉だったドレフュスは、えん罪によるスパイ容疑で有罪となり、島流しされて死んでしまいます。

 「フランス革命の後に人権宣言を唱えたのがフランスではないか。その国でさえこうなのか」と、ヘルツルは考えました。そんな国ですら、同化しようとしていたユダヤ人をこれほど残虐に殺してしまう。それがヨーロッパ人の性格なのであれば、ユダヤ人は自分の国を持たない限り、決して安心して生きていけない。そのような考えを持った彼は、35歳のときに「ユダヤ人国家」という論文を発表して、これを力説し始めました。


●シオニスト運動の始まりとポグロム


 彼の努力が中心となり、いろいろな人が参加する「シオニスト運動」が起こります。シオニストは「シオン」という言葉から生まれました。シオンとは、シオンの丘のことで、パレスチナの「乳と蜜の流れる地」であり、この憧れのシオンがあるのがエルサレムです。

 シオニスト運動の始まりは、1897年、スイスのバーゼルで開かれた第1回シオニスト会議です。当時、ユダヤ人の中にはロスチャイルド家など、たくさんの富裕層もいましたが、運動には懐疑的でした。ロスチャイルド家などは、フランスとイギリスに本拠を持つ大金持ちですから、「余計なことをするな」と言わんばかりで、「金は出す代わりに余計なことはするな」ということだったようです。

 しかし、この頃はロシアや東欧にも悲惨な思いで暮らすユダヤ人がたくさんいました。映画やミュージカルで有名な「屋根の上のバイオリン弾き」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子