イスラエルの安全保障観に学ぶ
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イスラエルが原子炉を持った理由と核兵器保有の真相
イスラエルの安全保障観に学ぶ(4)存続への闘い
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
4回にわたりイスラエルの歴史を見てきたが、現在のイスラエルの姿は決してバラ色とは言えない。何よりもパレスチナ難民問題をめぐる紛争は、21世紀の国際的課題として筆頭に挙げられる。市街には壁がつくられ、ミサイル攻撃も日常的だ。積極的平和に向かう日本は、イスラエルを通して何を学ぶべきなのか。(島田塾第115回勉強会 島田晴雄氏講演「安保意識と経済活力を考える~イスラエルとブラジルから学ぶもの~」より:全4話中第4話目)
時間:16分19秒
収録日:2014年7月8日
追加日:2014年11月25日
≪全文≫

●ベン=グリオンの独立宣言と第一次中東戦争


 1948年5月14日、ダヴィド・ベン=グリオンはテルアビブの博物館で、ヘルツルの肖像を前に独立宣言をします。イスラエルはユダヤ教の国家であると同時に、世界の中の民主国家であることを宣言するのです。

 ところが、この宣言の数日後には、アラブの国々が寄ってたかってイスラエルを攻撃してきます。エジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの連合軍2万3千人が、わずか数日後に結成されているのです。

 イスラエル側は皆、素人ですが、ただ士気だけは軒昂でした。ハガナ軍3万5千人、イルグン軍3千人などの民兵組織に加え、武装入植者数千人が懸命に戦ったのです。彼らのうちの6千人が亡くなりますが、何とか頑張って1949年には停戦に持ち込む。この時には、国連が決めた土地より20パーセント広い領土を獲得しています。

 その後イスラエルは、民兵軍を全て正規軍にして徹底的に訓練し、指揮命令系統を整備して、軍事力を充実させていきます。ユダヤ人の人口はどんどん流入して、独立当初60万人だった人口が数年後には140万人になります。ちなみに、現在は700万人です。


●パレスチナ難民問題の発生と今も続くナショナル・リスク


 ここからパレスチナの難民問題が発生します。パレスチナ人の住んでいた場所に新しい国をつくってしまったのが原因です。前回お話ししたディルヤスーン村のような虐殺はしませんが、追放することには変わりがない。パレスチナの農民はひどい目に遭い、下層民が流出していきます。

 最近、イスラエルを訪ねると、土地を奪われて難民キャンプにいるパレスチナの人たちがいろいろな形で入ってきます。普通の奥さんかと思ったら爆弾を持っていて、スーパーマーケットを爆破したりするのです。そのようなテロを防ぐため、イスラエルでは南北数百キロメートルにわたって、高さ20メートルの容易には越えられないコンクリートの壁がつくられています。全土につくる必要があるのかどうかはよく分かりませんが、壁を越えていい車と越えられない車では、ナンバープレートの色も違います。

 そこまでして防いでいますが、イスラエルでは今でも北と南から、1日に何十発ものミサイルが撃ち込まれています。しかも、市街では年中爆破事件があります。

 そのようなイスラエルへ、私は島田村塾の若い塾生...

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