東京五輪を考える
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選手の活躍でオリンピックへの支持が高まるのは健全なこと
東京五輪を考える(1)人の意識は変わっていく
哲学と生き方
猪瀬直樹(作家/参議院議員)
オリンピック招致活動を進めた猪瀬直樹氏に、東京五輪の意義や、五輪への考え方を問う。2021年5月半ば、『朝日新聞』は《朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、東京五輪・パラリンピックの開催をどうするのがよいかを3択で聞くと、「中止」が最も多く43%、「再び延期」が40%、「今夏に開催」は14%にとどまった》と報じ、「反対派が80%以上だ」という声が高まった。これをどのように考えるべきなのか。議論は、人の意識の問題から、新型コロナ対策や商業主義批判への考え方、さらに、あるべきオリンピックの姿にまで及ぶ。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分04秒
収録日:2021年6月25日
追加日:2021年7月9日
≪全文≫

●五輪への支持率の問題……人の意識は変わっていく


―― 皆さま、こんにちは。

猪瀬 こんにちは。

―― 今日は猪瀬直樹先生に、東京オリンピックについてお話をうかがいたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いします。

猪瀬 よろしく、どうも。

―― 東京オリンピック、一時期は、かなり反対が高まりまして、(2021年)5月の半ばくらいですと、『朝日新聞』の調査で、中止が43%、再延期が40%で、80%以上が反対だ、などという記事まで出されたりしました。猪瀬先生は、オリンピックの祝祭的な意味ですとか、もともと、なぜオリンピックをやらなければいけないのか、ということについて、ずっと発言をされてこられたと思うのですけれども、そこをあらためてお話をうかがってもよろしいでしょうか。

猪瀬 「オリンピックをやりたい人が2割しかいなかった」といいますが、実は、1964年の東京オリンピックは、2年くらい前の段階で、「東京でやりたい」という人が1割か2割なんです。あとは、「そんなのあるの?」「なんで、そんなのやるの?」「われわれの生活のほうが、大事じゃないの」というような言い方をしていたのが、実は1964年なんですね。

 その後、もちろん盛り上げていって、ギリギリ直前になったら急に少し盛り上がってきて、始まったら「東京オリンピック万歳」になるんですね。

 だから、人の意識というのは(変わるわけです)。もちろんいま、コロナがあります。いろいろな不安があるわけですね。だけれども、そういうなかで、たとえばこのあいだ、100メートルの山縣亮太選手が9秒95を出しましたよね。1カ月前くらいかなあ。そうしたらね、NHKの夜7時のニュースのトップニュースが「山縣亮太9秒95」なんだよね。政局もコロナも吹っ飛んでしまうわけ。そういうふうに、意識が変わるんですね。

―― やっぱり、勇気づけられるものがありますよね。

猪瀬 というか、だから何か、オリンピックがもつ「ポテンシャル」というのがあるんですね。

 それで、意識は変わるということですが、これはたとえば2012年に、ロンドンオリンピックがあったときの支持率なんですね(資料:招致委員会による国民支持率調査結果の推移)。

 オリンピックが始まる2カ月前、日本人のオリンピックに対する期待度は47%だった。始まったら、66%~67%くらいに増えるんですね。だから20%上がった。つまり3分...

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