【入門】日本仏教の名僧・名著~親鸞編
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「空-縁起」とは…そして『歎異抄』が伝える親鸞の魅力
【入門】日本仏教の名僧・名著~親鸞編(3)「空-縁起」と『歎異抄』
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
「空」と「縁起」は大乗仏教の中心的な概念である。あらゆる存在が単独に成り立つのではなく、関係性の中で生じているとする、現代思想とも通じる考え方だ。そのうえで「阿弥陀仏は光である」「世界全体が光である」とは何を意味するのだろうか。『歎異抄』でのエピソードも交えながら、親鸞の教えに迫る。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分22秒
収録日:2020年9月30日
追加日:2022年3月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●あらゆるものが「関係的」な存在だと示す「空-縁起」


―― (前回の最後に出てきた)「空-縁起」について、空はいわゆる「ソラ」と書く「空」ですね。縁起は縁を起こすと書いて「縁起」だと思うのですが、「空-縁起」となると、どういう意味になるのでしょうか。

賴住 「空」と「縁起」は、同じことを別の言い方、別の角度からいっている言葉になります。「空」というのは、あらゆるものは関係の中でそのものとなっているということであって、そのもの自体として存在しているのではないということです。

―― 一般的に「空」というと、「何もない」というイメージをよく受けるのですが、そうではないということですね。

賴住 そうですね。「空」というと、字面から「空っぽ」「何もない」というような感じを受け、誤解されることもありますが、そうではありません。「関係の中で存在している」ということで、それ自体として存在しているのではないということです。要するに仏教の「無我」の教えですが、無我も「自分がなくて人の言いなり」というような間違った捉え方をされることがあります。しかし、無我は、「自分という固定的なものがあるのではない」という考え方で、「空」と同じことになります。

―― いろいろなものとの関係性の中ということは、絶対的な自分というものがあるのではなく、むしろ相対的な位置づけとして自分があるのだというイメージでしょうか。

賴住 そうですね。自分というのは、他者との関係の中で常に移り変わっていくという捉え方になってくると思います。

 また、「縁起」というのは、まさに「関係の中で起こってくる」ということです。人間もそうだし、あらゆるものが「関係的な存在」だということを、「空-縁起」という言葉は示しています。


●世界の原理に気づけないのは、煩悩に囚われた自我のせい


賴住 そういう「空-縁起」でできている世界を指し示していくときに、親鸞は「阿弥陀仏は無限の光(アミターバ)である」とか、別の言い方で「阿弥陀仏は無限の命(アミユータスである」といっているのです。

 まさに命が光明であり阿弥陀仏であるという考え方になっていくと思うのですが、その場合の命や光といわれるものは、自分の命や自分の光ということではありません。世界全体が命や光に満たされていて、それが一つのかたちを取るときに阿弥陀仏になったり...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
『孫子』を読む:地形篇(1)六地形の戦略を学ぶ
ベトナム戦争でホー・チ・ミンが学んだ『孫子』地形篇とは
田口佳史
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
『孫子』を読む:地形篇(1)六地形の戦略を学ぶ
ベトナム戦争でホー・チ・ミンが学んだ『孫子』地形篇とは
田口佳史
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
印象派の解体と最後の印象派展(5)ポスト印象派の台頭
ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
安井裕雄
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実
堀口茉純
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
変化する日本株式市場とPEファンド(3)米国型への転換を迫られる日本企業
いまアクティビストの動きは?…進む「米国化」の現状
百瀬裕規
逆境に対峙する哲学(5)阿頼耶識・大慈大悲・大智
大慈大悲の教え――なぜ仏像は怖い顔をしているのか
津崎良典
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤