組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(1)いい妬み・悪い妬み
山浦一保(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授/博士(学術:広島大学))
「妬み」という感情は古くから人間に存在するものだが、それが現代社会において組織にどのように影響するのか。「妬み」は普段表に出ないネガティブな感情だが、なければいいというものでもない。実はその感情があるからこそ、危険を察知することができ、リスクを回避することができると山浦氏。そして「妬み」には、「いい妬み」と「悪い妬み」の2種類があると言う。それぞれどのようなものなのか。心のふたをそっと開けて、その感情について考えてみよう。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分08秒
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年11月3日
≪全文≫

●表に出せない「妬み」という感情


―― では、山浦先生、続きましていよいよ各論ということになります。まずは「妬み」。

山浦 ああ、来ましたね(笑)。

―― 妬みというテーマから行きたいと思いますが、おそらく人間でいて妬みを覚えたことがない人は、きっとあまりいないですよね。

山浦 うーん。そうかなと思いつつも、なかなか思い当たらないという気にもなっているかもしれません。

―― それは、どういうことですか。

山浦 妬みというのはかなり古くからあるようです。しかし、それは道徳的によろしくない、そういう感情を表現する自分が嫌になる、ということがいろいろよぎって、皆なるべく隠そうとする。あるいはそれを認識しないように過ごす術を持っている。そのようにいわれていますので、なかなかピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。

―― そうなのですね。でも、確かに「隠さなきゃ」とか、「こういうことを思っちゃいけないんだよね」と思いながら、やはり心ではどうしても「何か違う」と感じてしまうケースが、皆さん結構おありではないかというところもあります。

山浦 おそらく、そうでしょう。

―― そこが、難しいわけですね。表面には出てこないけれども、人間としてついついやってしまうことがあると。

山浦 そうですね。いいマネジメントの手法を使っているのに、なかなかいい方向に回転していかないようなとき、もしかすると、そのチームのどこかにそういう感情が眠っていたり潜んでいたりするかもしれないということです。

 こういうあまり意識していない感情、心の揺らぎというものは、ご自身の身体的な部分に思いがけず悪影響を及ぼすこともあります。それで、いつの間にか病気になりがちだったり、心が病んでしまったり、あるいは対人関係がどうしてもうまくいかなくなるようなことが生じてしまうことも今、分かってきているところです。


●いい妬みと悪い妬みの2種類がある


―― そのあたり、実は「見えない世界」だった部分にあえて光を当てることで、原因が見えてくるところもあるでしょうね。あとは、前もって結論部分を言ってしまうようですが、「なくせばいいというものでもない」ということになるのですよね。

山浦 そうなのです。そういうものは、一見あまりきれいな感情とは見えないものですよね。けれども、どうして古くからずっとそれを人...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
平和の追求~哲学者たちの構想(3)サン=ピエールとモンテスキュー
「国連」の発想の源は?…一方、小共和国連合=連邦構想も
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治