数学と音楽の不思議な関係
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フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
中島さち子(ジャズピアニスト、数学研究者、STEAM教育者、メディアアーティスト)
音が波であることは分かっても、それが三角関数で支えられていると言われてもピンとこないという方は少なくないだろう。そこで、その話を補足するのが倍音や周波数という概念であり、そのことを目で確認できるとっておきのイメージが、音の周期性を示す「くし形」の形状である。今回はピアノ、太鼓、おりん、カリンバなど、世界のいろいろな楽器の音色を用いて「音を目で見る」体験から、フーリエ級数による数学の世界との関連性を体感してみよう。(全4話中第3話)
時間:15分43秒
収録日:2025年4月16日
追加日:2025年9月11日
≪全文≫

●音と三角関数、倍音と周波数


 それでは、今度は音について深掘りしていきたいと思います。

 音が皆さんの耳に届くとき――今、私の声は皆さんの耳にも、未来の皆さんの耳にも、今の私の耳にも届いています――これは、見えないけれど実は空気が振動して、ある意味で波として耳に届き、鼓膜を震わせて、それが音になって聞こえるということです。

 では、その波とはどんなものかというと、波を支えているのは三角関数です。大人の方だと、聞いた覚えはあると思われるかもしれません。この三角関数が複雑に混じり合って、私の声や机を叩く音など、いろいろな音が生まれているわけです。

 “三角関数さん”たちは目覚ましい働きをしていて、世の中の音の全てが三角関数で(表現でき)、無数の足し算や積分のようなものによって生まれているということが分かっています。

 「倍音」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。三角関数の波が1秒に何回ぐるぐる往復するか、それを「周波数」といいます。周波数が大きいほど周期は短く、(周波数が)少なければ(小さければ)周期は大きく(長く)なります。この周波数の違いが音の高さの違いを決めていることが分かっています。

 そして、ある周波数の音には、その倍音(例えば2倍、3倍、4倍の音)が隠れています。その倍音がどのように混じり合っているかによって音色が変わることが今、分かっています。


●「倍音」の響きを確かめる


 では、ドの倍音とはどんなものなのか、少しだけ皆さんにお伝えしたいと思います。

 これは、言われただけでは「へえっ」となるかもしれないのですが、木琴だと分かりやすいと思うので、皆さんの中で物づくりが好きな方は、木琴で長さを変えてやってみてください。

 (演奏:ピアノ ド音)

 この波の周波数を2倍にします。木琴でいうと、周波数を2倍にしたいなら、逆に長さを半分にしてください。こうして長さを半分にして周波数を2倍にした2倍音はどこに行くかというと、必ず1オクターブ上のドになります。

 これはどこから始めても同じです。1オクターブ上が2倍になっている。ということは、2×2は4です。1オクターブ上が2倍、2オクターブ上は4倍、3オクターブ上は6ではなく、2×2×2なので8倍音になります。では、3や5はどうなるのか。1倍、2倍、4倍の間に3があ...

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