「イスラム国」の本質と将来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
極端な派は消滅したが・・・7世紀からあった過激な集団
「イスラム国」の本質と将来(5)イスラム過激派を生み出すイスラム教の本質とは?
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
歴史学者・山内昌之氏による「イスラム国(IS)の本質と将来」に関する講演終了後は、充実の質疑応答の時間を迎えた。参加者の鋭く本質を突いた質問に、山内氏はどのように答えたのか。(2015年2月16日開催 日本ビジネス協会インタラクティブセミナー山内昌之氏講演 “「イスラーム国」の本質と将来 第一次世界大戦勃発100年から第二次世界大戦終結70年への徒花“、全6話中第5話目)
時間:9分37秒
収録日:2015年2月16日
追加日:2015年3月5日
≪全文≫

●イスラム教の抱える構造的問題と文学への期待


―― イスラム教はコーランとハーディスの解釈次第で、過激派にも穏健派にもなり得ると、講演でおっしゃいました。イスラム教がそういう構造を持っているとすれば、それは寂しいことかもしれませんが、今後もその構造を内包しながらイスラム教は続いていかなければならないと、先生はご覧になっているということなのでしょうか。

山内 鋭いところへご質問頂きましたが、これはテレビや新聞ではどう表現したらいいか迷うところです。私は率直に言って、イスラム教徒自身がそういうことときちんと直面することが必要な時期になってきたのだろうと思います。

 日本在住者を含めて、イスラム教徒が言っているのは、「イスラムは平和の宗教です。イスラム国(IS)はイスラム教徒ではありません」というところ止まりです。イスラムの何が彼らを生みだしているのか。彼らはイスラムのある部分を強調しているわけですが、彼らが教義のどこをどのように利用し、曲解しているのかということについては説明しないのです。

 しかしながら、今のご質問は本質的なところを突くお尋ねです。その問いに対して私はすぐに回答する準備はありません。先ほど「寂しい」とおっしゃいましたが、私は「悲しい」ことだと、ペシミスティックに捉えています。私の答えは明言しがたいのですが、この講演の文脈と今の表現でお分かりいただければと思います。ペシミスティックですね。

 イスラム教の構造はしっかり押さえていかなければなりませんが、逆に言うとその先には何が見えてくるかです。それを極端に先取りしているのがISですから、それを「ニヒリズムだ」と私は言ったのです。問題はそれを内包しても、ニヒリズムを克服する努力は、その中からしか生まれないのです。

 トゥルゲーネフが『父と子』を書いたような勇気を持った知識人や文学者。これが、自分たちの抱えている問題をどういうかたちで表現し、かつそれが文学的に「人々の心の魔法を解いていくか」(マックス・ヴェーバーの言葉「エントサーベルン(Entzaubarung)」を引用)という作業にかかっていく。こういうことが始まった、あるいは始まってほしい段階です。


●ハワーリジュ派はどこから「出ていった」のか


―― 結局イスラム教は、一神教と理解してよいのですね。そして、その外側に出ていった人が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(3)「古くて新しい問題」と雇用の未来
AIは「失業」を増やすか減らすか…創造的破壊か?資本化効果か?
宮本弘曉
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫