「イスラム国」の本質と将来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
各世界の対立する論理の上位概念は「たしなみ」か?
「イスラム国」の本質と将来(6)中東と国際社会の目指すべき方向
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
歴史学者・山内昌之氏による「イスラム国(IS)」の本質と将来」に関する講演終了後は、充実の質疑応答の時間を迎えた。参加者の鋭く本質を突いた質問に、山内氏からは「次回の約束」も最後には飛び出すほどだった。(2015年2月16日開催 日本ビジネス協会インタラクティブセミナー山内昌之氏講演 “「イスラーム国」の本質と将来 第一次世界大戦勃発100年から第二次世界大戦終結70年への徒花“、全6話中最終話)
時間:5分16秒
収録日:2015年2月16日
追加日:2015年3月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●中東と国際社会は、今後どの方向を目指すべきか


―― 中東のことは全く分からないのですが、まずイラン革命から始まり、イラン・イラク戦争があった。そこにアメリカが肩入れすることがサッダーム・フセインを強くし、また自由化しようということでアルカイーダが出てきた。ブッシュ政権の時は、自由や民主主義を反映させることが解決につながると思ったわけですが、先ほどの自由と秩序の話があったように、何か一つを良くしようとすると他に影響を及ぼしてしまう。さらに今後を考えても、仮に民主主義だといっても、民主主義で選ばれた人たちがどういう政権をつくるかは未知数だし、サウジアラビアのように王政の国もあります。国際社会がずっとさまざまに介入するたびに、イスラムはいろいろな問題を生んでいる。今後の見通しはどういう方向に進むべきで、そのために国際社会はどういう方向性を持って、イスラムに対して対峙していくべきなのでしょうか。

山内 国際社会の標準値からすると、実はアメリカも歴史的にみてかなり変わったところがあります。まず、アメリカはわれわれの共同の国際標準をつくってきています。しかし、アメリカの論理が世界全部を満足させているかというと、そうはなっていない。なぜならば、アメリカ自身が一つの世界だからです。これは中国にも言えることですが、自分たちが世界だと思っている国民や歴史は、他者との共存や妥協は難しい。同じことがイスラムにも言えます。

 中国やアメリカには、一つのまとまりとしての「国民」があります。多民族国家であることを前提として、もう一つの合衆国あるいは人民共和国という「国家の枠組み」があります。イスラムが厄介なのは、7世紀にはそのような一つの大きな共同体=「国家」であったこと。それにもかかわらず、1648年のウェストファリア体制以降の論理によって、国々が分裂して国民国家の単位と見なされたことです。西欧を基本としてつくられた国際法と国際政治の論理からは一番はみ出していく構図を持っているのがイスラムなので、「世界」との共存がなかなか難しいのです。


●「たしなみ」は対立する論理の上位概念になる?


山内 考えられることとしては、イスラム的な論理、中国的な論理、アメリカ的ないしアングロサクソンがつくってきた論理が共存していくような、もう一つ上位の概念をつくっていけたらいいのですが、なかな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(3)「覚り」とは?「空」とは?
「覚り」「因果」「空」とはどういうものか…仏教の本質と変遷
橋爪大三郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦