「イスラム国」の本質と将来
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「日本は中東で愛されている」は正しく、かつ間違っている
「イスラム国」の本質と将来(2)「イスラム国」の日本人殺害事件の教訓と掃討コスト
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
「日本は中東で愛されている国」、この認識は正しく、かつ間違っている、と中東・イスラム史研究の第一人者である山内昌之氏は語る。日本人人質殺害事件から得た教訓をもとに、一歴史家の目をもって語る、「中東と日本」、「日本とテロリズム」、そして「日本が成すべきこと」。(2015年2月16日開催 日本ビジネス協会インタラクティブセミナー山内昌之氏講演 “「イスラーム国」の本質と将来 第一次世界大戦勃発100年から第二次世界大戦終結70年への徒花“全6話中第2話目)
時間:20分01秒
収録日:2015年2月16日
追加日:2015年3月2日
≪全文≫

●「テロリストに憎まれる日本」の認識を持つ

 
 簡潔に今回のISによる日本人殺害事件の教訓について触れます。

 日本は中東に愛されているというのは、その通りです。これは市民レベルや中東の国レベルではそうですが、日本が好きなテロリスト、日本を支持しているテロ団体が果たして存在するのかを考えてみれば、よくお分かりでしょう。日本が愛されているのは市民社会のレベルで、テロリストはどこの国や誰に対しても憎むわけで、今回明示されたのは「中東のテロリストに憎まれる日本」という、誠に単純な当たり前なことが明らかになっただけです。この当たり前の理屈を語る勇気を持たない、そしてそれをきちんと受け止める世論がないというのが、今の日本が抱えている知識人と世論の大きな問題点だと思います。

 これからは日本が愛されているというのは市民社会においてであって、テロリストは日本を憎んでいるということに直面するべきです。つまり、建前と安心立命の境地だけではなくて、本音と警戒心の要素を私たちはきちんと持たなければいけません。これが私の言いたいことに尽きるのです。


●中東諸国との友好とテロリズムを区別する


 もちろん中東の一般市民や世論の中には日本への好感度は、基本的には変わりません。しかし、イスラムテロリズムによる日本人の殺害予告に見られる日本への敵対や日本人への脅迫の違いは区別しなければなりません。これを区別しないで、あたかも中東の空気がガラッと変わったかのように論を立てる、非常に単純なコメントやコメンテーターが、皆さんのすぐそばにもひょっとしているかもしれません。私は、皆さんの耳を俗耳と言っているのではありません。しかし、われわれに分かりやすい理屈で「中東が変わったのだ」というようなことを言って、「その責任は安倍晋三首相にある」というような理屈は成り立ちません。

 安倍さんの前にも、例えば、既に民主党政権下でヨルダンについては、アンマン空港でのセキュリティの強化、国境地域における入国管理の強化等に対して、無償支援等で日本は出しているのです。これは国際的に見ればごく当然のことです。これは、民主党政権の実に素晴らしい決断だったと私は思います。無償支援をする、という意味を分かってその選択をしたかどうかはさておくとしますが。いずれにしても、安倍政権になってからテロを誘発するような国際...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(5)主要隊士、そして羽織や旗の実像
沖田総司、山南敬助、永倉新八、斎藤一…彼らの実像とは?
堀口茉純
「発想力」の技法を学ぶ(2)発見と探究(後編)
セブンカフェ、無印良品…成功事例に学ぶ「デザイン思考」
三谷宏治
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(5)プラントエンジニアの覚悟と死装束
俺たちが死んだら、次はお前だ。被害を俺たちで止めるんだ
門田隆将
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
釘貫亨