昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人種差別への反対、ヴェノナ文書が明らかにしたスパイ工作
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(4)人種差別とスパイ工作
樋口季一郎によるユダヤ人救済の背景には、当時世界を支配していた苛烈な「人種差別」に、日本が国を挙げて反対してきた歴史があった。日本は第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議で人種差別撤廃を世界に先駆けて訴えた稀有な存在だったのだ。さらに、戦後公開された「ヴェノナ文書」は、開戦の裏に潜むソ連のスパイ工作という衝撃の真実を浮き彫りにする。従来の歴史観を覆し、新史料から第二次世界大戦の深層に迫る。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分31秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年5月14日
≪全文≫

●強烈な白人の「人種差別」に反対しつづけた日本


―― 日本は第一次世界大戦後の講和条約の時も、「人種差別を撤廃せよ」ということで動いたり、明治維新以来、常に白人と向き合ったりしていく中で、一面では人種差別という問題にずっと向き合ってきたわけですけれども、ことユダヤ人問題になると、ヨーロッパ内部での差別問題というものに結びつきます。

早坂 樋口(季一郎)自身はウラジオストクでも、ハバロフスクでも(そうですが、特に)ハバロフスクの時はユダヤ人の家に下宿していたという話があるのですね。ワルシャワでもやっぱりユダヤ人の下宿を借りていたと。これは実は当時の陸軍のヨーロッパに派遣された軍人の人たちに多いパターンなのです。というのは要するに、黄色人種である日本人に家を貸したくないというのが当時のヨーロッパであったのです。

 そんな中で家を貸してくれるのはユダヤ人だけだったということです。そこがオトポールに向う土壌として、樋口の内面にはあったと思うのです。感情的に、あるいは自分の経験から来るものですね。

 人種差別がいかに「愚かなこと」で、ドイツとは同盟関係にあるけれど、そのドイツの人種政策には与しないというのが樋口の思いでした。実はそれは樋口だけじゃなくて、日本も実はそうなのです。

 これは、樋口も杉原も、個人の独断で行ったというような落としどころで話が終わってしまうケースが多々あるのですが、実はその土壌には日本という国が明治維新以来、人種差別には一貫して反対してきたことがあります。そして、ユダヤ人に対して、ドイツはもちろんですけれど、当時、イギリスもアメリカもユダヤ人に何をしていたかといったら、これはもうとんでもない、弾圧に近いことをやっていたのです。

―― 歴史的に、ロシアもすごいですからね、弾圧は。

早坂 そうですよ。当時の先進国でユダヤ人を差別的に扱わなかったのは日本だけなのです。そういった国のベース、国策の土壌があった上に、樋口も杉原(千畝)もその存在があった、というように考えないと(いけない)。個人の独断というだけではなかったと思います。

―― そこの部分について、門田さん、いかがですか。

門田 100年ほど前の1919年、ヴェルサイユ講和会議、あの中でひとり、人種差別撤廃、これを唱えたのが日本です。そうすると、日本がずっと、そのときに欧米によってその...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(4)消された歴史を掘り起こす
根本博の功績は台湾では消されていた…取材でいかに正史を変えたか
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
野田一夫
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
トゥキディデスの罠の教訓…大事なのは戦争回避の4ケース
小原雅博