末井昭、「自殺」を語る
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
『自殺』の執筆を奮い立たせたのは東日本大震災
末井昭、「自殺」を語る(2)悼む心から広がる輪
末井昭(編集者・作家)
編集者・作家の末井昭氏が『自殺』執筆を依頼されたのは2010年。なかなか踏ん切りのつかなかった氏を奮い立たせたのは、2011年の東日本大震災だった。毎月ブログで連載し、やがてツイッターで読者と直接やり取りをするようになる。そのことは、読者にとっても著者にとっても救いをもたらすものだった。(2015年6月16日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「私が『自殺』を書いた理由と“生きづらさ”を取り除く方法」より、全6話中第2話目)
時間:10分12秒
収録日:2015年6月16日
追加日:2015年7月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●「面白い自殺の本」執筆をめぐる違和感


 最初のうちは、自殺のことを本にしたり、そのための原稿を書くことに対して、どうも自分の中で踏ん切りがなかなかつきませんでした。しかも、出版社からの依頼が「面白い自殺の本を書いてくれ」という話だったために、「自殺=面白い。えっ?」みたいな感じで、結び付かないのですね。

 結び付かないままにいろいろ考え、時々出版社の方と打ち合わせをしたりしながら、だらだらと1年ぐらいが過ぎてしまいました。こちらから断るでもなく、書くでもない感じで引き延ばしていたわけですが、申し訳ないと思いながらもやはりなかなか踏ん切りがつかなかったのです。


●東日本大震災が『自殺』を書くきっかけに


 依頼されたのは2010年の4月ぐらいで、それから1年ほどがたち、東日本大震災が起こりました。それが、私が書くきっかけになったのです。

 ですから、『自殺』の第1回目は「地震と自殺」というテーマで書きました。何を書いたかというと、大震災の日に自分が何をしていたかということです。ただパチンコをして麻雀をしていたので、不謹慎ともいえる内容ですね。

 でも実際に、東日本大震災の惨状というものは、その時にリアルタイムではとても分からなかったということがあります。テレビを見ていると、断片的に映画の1シーンのような映像が流れて、「あ、すごいな」と思いました。仙台の空港を津波が襲い、滑走路に波が来る映像などを見ると、「あ、すごいことになっているんだ」と思いながらも、結果的に何万人もの人が亡くなるような災害になるということは、その時点では分からなかったのです。

 しかし、報道を見ていくうちに、だんだん自分も何かしないといけないという気持ちになりました。頭の中に「自殺」の話があったので、なんとか自分も人の心に届くようなことをしたいという気持ちが生まれ、書くきっかけになったのです。


●ブログとツイッターへの反響に支えられて


 そこで2011年の5月から、月に1回更新するぐらいの頻度で、ずっとブログを書きました。毎回、担当の編集者と打ち合わせをして、次のテーマを決めて書くというような形で書き続けたわけです。

 その半年後に私はツイッターを始めます。ツイッターでブログの更新情報を載せると割に反響があって、読んでくれている方がとても多いと分かり、励みになりました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
世界哲学のすすめ(1)世界哲学プロジェクト
日本発!危機の時代に始動する世界哲学プロジェクトの意義
納富信留
認知バイアス~その仕組みと可能性(2)創造のバイアス〈前編〉
創造の「4段階説」、ひらめきには準備が必要
鈴木宏昭
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部