持続可能で明るい低炭素社会
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「日々の暮らし」の省エネ世界一を実現しよう!
持続可能で明るい低炭素社会(2)目指せ省エネ世界一
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
「私たちが実現すべきは、日々の暮らしの省エネ世界一だ」と、株式会社三菱総合研究所理事長で科学技術振興機構低炭素社会戦略センター長・小宮山宏氏は主張する。それはなぜか。どのように省エネを進めていけばよいのか。(2015年6月23日開催 一般社団法人地球温暖化防止全国ネット設立5周年記念式典基調講演「持続可能で明るい低炭素社会 ビジョン2050の実現は視野に入った!」より、全4話中第2話目)
時間:10分08秒
収録日:2015年6月23日
追加日:2015年7月27日
≪全文≫

●実現すべきは、日々の暮らしの省エネ


 では、エネルギーを今どうすべきか。日本は一度、エネルギー危機を克服した経験を持っています。私の世代はものすごく思いが深いのですが、いわゆるオイルショックがありました。1973年に第1次オイルショック、1979年に第2次オイルショックが起こりました。2回のオイルショックで、1970年代に石油の値段は10倍から20倍に跳ね上がり、世界の経済に激震を与えたのです。

 しかし、それを日本は見事に乗り切ったのです。なぜ乗り切れたかといえば、技術屋が企業で必死に省エネを行ったからです。セメントの例でいえば、1トンのセメントをつくるために使うエネルギーを、日本の技術屋は30年で半分に減らしました。2000年頃、アメリカやデンマークなどは、セメント生産に日本の1.5倍程度のエネルギーを使っていました。日本はセメントの他に、鉄も、化学も、紙パルプも製造過程の省エネを進めていきました。そして日本は、世界一エネルギー効率の良いものづくり環境を実現したのです。これが、私たちにとって一つの誇りです。

 この時は、企業の省エネに経済的な合理性がありました。その頃の企業のエネルギー消費量は、まだ理論値と大きなギャップがあり、省エネしやすかったのです。また、以前はエネルギーの3分の2を工業が消費していました。省エネできる量が多く、ポテンシャルが大きいという二つの意味で、経済合理性があったのです。

 しかし、いまは、家庭、病院なども含んだ業務、輸送(運輸)といった日々の暮らしと呼ぶもので6割近いエネルギーを消費しており、輸送の半分は自家用車です。一人一人の日々の暮らしの中にこそ、省エネのチャンスがあるのです。しかも、全てのエネルギーには理論値がありますが、家庭や輸送のエネルギー消費の理論値はゼロ。省エネのポテンシャルが大きいのです。ですから、私たちが実現すべきは、日々の暮らしの省エネ世界一です。省エネは小さなことの積み重ねですから、ボトムアップである地域での活動が重要になってくるでしょう。


●自動車のエネルギー消費を80%減らせる


 それから、省エネは、エネルギーの理論値ゼロと申し上げましたけども、これは自動車のエネルギーを示したグラフです。このような方法は私しか使っていないようですが、これが自動車エネルギーの正しいプロットの仕方です。...

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