レアメタルの光と影
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
メディアで得ている知識には大きな誤解を含む部分がある
レアメタルの光と影(4)関連報道のウソ・ホント
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
メディアで頻繁に目にするようになったレアメタルの情報だが、その多くは誤解を招きかねないものばかりだ、と岡部徹氏は指摘する。レアメタルの製錬からリサイクルまで、その実態を知り尽くした専門家の目で、報道の真偽を問い、考えるべき課題点を浮き彫りにする。(2015年4月20日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「レアアースをはじめとするレアメタルの光と影」より、全7話中第4話目)
時間:5分30秒
収録日:2015年4月20日
追加日:2015年8月20日
≪全文≫

●レアメタルはなぜリサイクルすべきなのか


 ここから少し皆さんに質問します。レアメタルは、なぜリサイクルすべきなのでしょうか。「枯渇しそうだから」など五つの選択肢がありますが、何番と何番が正しいと思いますか。

 答えを見ていくと、まず「枯渇しそう」なレアメタルについてですが、実際には、枯渇する可能性があるレアメタルはありません。次に、「リサイクルした方が安い」レアメタルといえば、(貴金属でもある)白金ぐらいです。例えば、(最近高騰した)レアアースですらも、(リサイクルせずに)使い終わったら捨てて、中国から(鉱石からつくられた)バージンのメタルを買ってきた方が、実際のところずっとコスト的には安いのです。

 その次の「もったいないから」というのは正しいのですが、これが通用するのは日本ぐらいです。日本は素晴らしい国です。こういう「もったいない」という不思議な概念があり、しかも、その素晴らしい考え方が上位概念として存在します。ですから、この国はいい国なのです。

 四番目の「採掘と製錬で環境が破壊されるから」ですが、これはまさに正しいです。ですから、(地球環境のために、)私は、レアメタルはリサイクルはしなければいけないと私は思っています。その他、いろいろあるのですが、これは後でお話しします。


●多量にあっても資源問題は解決しない


 次に、一般には常識と思われているデマや誤解についてお話しします。

 ある時、NHKのニュースを見ていたら、南鳥島周辺の海底に多量のレアアースが存在すると報道されていました。埋蔵量は国内消費の220年分とのことですが、本当はもっと多いと思います。そして、陸上資源の800倍もあるから、これを開発しようといった内容でした。また、別のニュースがありまして、わが国はボリビアにどんどん投資し、ウユニ塩湖にリチウム製錬のプラントを建設する、という内容でした。これはなぜかというと、ウユニ塩湖は世界最大の塩の塊で、そこに埋蔵されているリチウム量は圧倒的に多く世界最大だからです。(海底のレアアースもボリビアのリチウムも、資源量という意味では)どちらも、報道としては正しいのです。

 要するに、「日本の近海にはレアアースが多量にある」は正しい情報です。「ボリビアのウユニ塩湖には多量のリチウムがある」も正しいのです。ただ、一連の報道を見ていて問題...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
逆境に対峙する哲学(7)試練と祟りと弱さの力
モンテーニュの告白「学が邪魔をすることがある」と百姓の力
津崎良典
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ