レアメタルの光と影
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
多少コストがかかってもリサイクルすべき地球の奇跡の産物
レアメタルの光と影(7)バリュー・オブ・ネイチャー
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
レアアースをはじめとするレアメタルに関して最大の問題は、“鉱石の本来の価値”があまりに低く評価され、タダ同然に扱われていることだ。岡部徹氏は、「バリュー・オブ・ネイチャー」についてもっと真剣に考えてほしいと訴え、リサイクル技術の開発を進めている。岡部氏が語る「レアメタルの光と影」最終回。(2015年4月20日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「レアアースをはじめとするレアメタルの光と影」より、全7話中第7話目)
時間:8分02秒
収録日:2015年4月20日
追加日:2015年8月31日
≪全文≫

●将来、大きなリサイクルマーケットが存在


 今日はこの後、質疑応答に時間を使いたいと思います。私は白金(プラチナ)のリサイクル技術の開発などの研究が得意なのですが、皆様にとってもビジネスセンスとして白金は非常に重要です。白金は自動車の排ガス浄化触媒、つまり自動車の排ガスを無害化する触媒です。自動車の排ガスを、この触媒ユニットに通したら排ガスがきれいになって出てくるといったもので、大体、自動車1台に1グラムから4グラム使います。“(自動車一台に)たった4グラムか!”と思うかもしれませんけれど、白金は、1グラムあたり数千円もしますから、皆様の高級車には、およそ2万円分の白金が使われているわけです。廃車になったらそれを回収するのですが、残念ながら、日本はあまり廃車(スクラップ)になりません。皆様は廃車した気分でいても、中古で多くの自動車が海外に輸出されてしまうのです。

 日本の場合、触媒をつくるために白金を多量に輸入するのですが、中古車または新車で白金は、車に積まれて輸出されて海外に出ていくのです。実は、驚くことに、日本は白金を含むスクラップを世界中から集めまくっています。つまり、日本は一生懸命ゴミ集めをしているということです。なぜかといえば、いま(世界中からスクラップとして)集めている白金(Pt)は、将来リサイクル対象となる量が大幅に増える可能性があるからです。他には、パラジウム(Pd)やロジウム(Rh)も白金同様にリサイクル対象となる量が増える可能性があります。

 白金の価格は、リーマンショックの時にガクンと落ちて、グラム2000円になりました。2000円辺りが製造コストの下限ですから、2000円が1000円になることは絶対にありません。今は製造コストがここまで(およそ3000円台)上がってきています。ですから、仮に白金が2000円に落ちたとき、皆様、絶対に買ったらいいと思います。

 また、ロジウム(Rh)は、こんなに(30000円/グラム以上)高騰したことがあります。ロジウムは白金の副産物で、白金の鉱石から一緒に出てくるものですね。いずれにしても、これらの白金族金属は、10年後は非常に大きいリサイクルマーケットが存在しているということです。


●ゴミばかりつくっているという現状


 価格は、需要と供給の状況によって大きく変わるのですが、パラジウムな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
知性の進化と科学技術文明の未来(1)ヒトは本当に賢いか
なぜ人類は進化できたか?…5つの環境要因と脳の発達
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環