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家族と社会をダメにする「思考停止ワンワード」って?
「別に...」「特に...」「何でもいい...」など、一言で適当にその場をやり過ごすことが、家族のコミュニケーションにおいて多くなっていないだろうか?
空気のように楽に流したいことも少なからずあるストレス社会において仕方のないことかもしれないが、家庭環境から言葉にすることを省略していく傾向は、逆にストレス社会を育むことになりかねない。
子どもにとって、家庭内で交わされる言葉によるコミュニケーションは、学校教育の下地になるだけでなく、人格教育にとっても重要である。
自分の感情や意見をあらわすコミュニケーションのトレーニングは、基本的に家庭がベースになる。夫婦喧嘩は犬も食わぬといわれるが、かつて、ああ言えばこう言うとばかりにその言葉の応酬は、子どもたちにとって少なからず感情にマッチした語彙を育み、問題を収束させる感覚、フィジカルな暴力によらぬ問題解決の学習モデルになっていたはずである。
「あうんの呼吸」「背中で語る」といった美化された日本的なコミュニケーションもあるが、江戸の文化を見るまでもなく少なからず過剰な言葉によるコミュケーションがその前景にあることを忘れてしまったかのようだ。
そうした最低限の言葉による問題解決の学習機会を失うとどうなるか。フィジカルに訴えて暴力が過剰になり、なお、その暴力も封じられた現代において、負の感情は吹きだまり陰湿化する。結果、見えないイジメに至るか、または自らの精神を病む。
「別に・・・」「特に・・・」「何でもいい」は、やがて「ウザい」「きもい」「むかつく」といった言葉にすることを省略する思考停止型ワンワードに集約され、感情を押し留め、問題解決を遅らせることになりかねない。
これからの社会は格差が広がり、国際化とともに「多様化」「流動化」「細分化」の方向から社会の「バラバラ感」はさらに大きくなることが予測される。
そうした社会と向き合うために、「自分が何を感じ、何を思い、どうしたいのか?」を伝えるための第一歩として、家庭からその場のお茶を濁す「別に...」「特に...」「何でもいい...」といった思考停止ワンワードを廃していくのはいかがだろうか。
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