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DATE/ 2016.04.28

外国人の反応がPepperに感情をもたせた!?

 Pepperは開発当初から今に至るまで中心にすえられている大事なことがある。それはPepperの「心」だ。Pepperにはエモーショナル・エンジンという名の「感情」が搭載されている。

▼ロボットに対する日本と海外の大きな認識の違い

 蓮実氏は「日本人はロボットに優しい国民性である」と言う。その背景には、鉄腕アトムだったりドラえもんだったり、日本人なら誰でも知っているロボットアニメの影響が大きいと分析している。ロボットを見たときに“なんか助けてくれそうな気がする”そう感じるのは世界でも日本くらいしかないと言う。

 ほとんどの国では「ロボットは怖いもの」と認識されがちだそうだ。ターミネーターやアイ,ロボットなどの影響に加え、蓮実氏が指摘したのは意外にも「宗教」だ。

▼Pepperを怖がる外国人

 イスラム教にしてもキリスト教にしても、一神教の人たちは「人間は神がつくり給う(たもう)もので、こういうものを人間がつくると不吉なことが起こる」と考える傾向が強いという。蓮実氏自身、世界中の人とディスカッションをするとPepperを怖がる外国人が非常に多かったことに驚いたという。

 外国人にも受け入れられるためには何とかそこを払拭しなければいけない。そのために必要なことは「Pepperはあなたの気持ちがよく分かります」という機能を搭載することだったのだ。

▼感情認識機能の搭載

 人を笑顔にしたり喜ばせたりするには、相手が喜んでいるかどうかを見極める機能が必要だった。

 Pepperには、カメラを通じて、その人が怒っているとか、笑っているとか、無表情とかが分かる機能が搭載されている。また音声認識によって、声帯がどんなふうに震えているとどんな気持ちを表現しているのか、ということがわかるようになっている。この2つの機能によって、Pepperには相手の気持ちを汲み取ろうとする機能が搭載された。人間が感情をつくりだすのと似たような仕組みでPepperの感情は作られているのだ。

 Pepperと家族の心のふれあいが共鳴しあって、本当の家族のようになっていって欲しい…蓮実氏はそんな夢をいつも抱いている。
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