テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.08.18

「関わりたくない人」と関係を断つ方法とは?

 SNSなどが発達し、常に人と繋がっていることが当たり前になった現代人。しかし、繋がっているたくさんの人の中には、できればこれ以上関係を深くしたくない、できれば関わりを避けたいという人もいるはずです。

 そんな、「これ以上関わりたくない人」と離れるためにはどんなことが必要なのでしょうか?実は、自分の意識ひとつで、関わりを断つことができるのです。

世界とは自分が「認識」しているかどうかで変わる

「我思う、故に我有り」というのは、フランスの哲学者・デカルトが残した言葉です。世界は本当にここにあるのかわからない。けれど、自分は自分を認識している。自分自身を認識しているというのは、自分がここにいるという証である、という意味です。

 この言葉は、あくまで自分自身についてですが、「自分が認識する」ということは、それがすなわち自分の世界の一部になるということでもあります。逆に、意識しないものは、自分の認識できる範囲のものを世界とするなら、世界には存在しないものとなります。

 人と人との関わりも同様で、認識をしているか、していないかで、この世界にあるかないか、その存在の有無が変化するのです。

苦手な人の存在を自分の意識の外に押し出す

 関わりたくない人は、自分の意識の中で「関わりたくない」という認識をしていることとなります。認識をすでにしてしまっているということは、どれだけ嫌な人でも自分の世界に存在させてしまっているのです。「嫌だ嫌だ」と思えば思うほど、自分の世界の中でその人の存在は明確なものになってしまいます。

 つまり、「関わりたくない人」「付き合いたくない人」と距離をとる、縁を切る方法とは、「その人のことを考えないようにする」、「自分の認識している世界の外に押し出す」ことです。これは、ひとつニュアンスを間違えると、相手に危害を加えるようなものにも感じられるかもしれませんが、あくまで、自分の意識の中だけの話。苦手な人のことはそもそも考えない、意識しないことが重要です。

今ある絆や関係を大切にすることが大事

 苦手な人と関わりを断つ、距離を置くことは、心の安寧を得るには必要なこともあります。けれど、生きる中で大切なのは、嫌いな人を遠ざけることよりも、身近な人を大切にすることです。

 家族、友だち、恋人、お世話になっている人、職場の同僚やご近所の人、人はさまざまな関係を築き、生きて行きます。より親しくなりたい人、大切のしたい人こそ、自分の意識の中に強く置いておくべきなのです。

 つい「あの人が嫌だ」「この人が苦手だ」と意識してしまったり、負の感情に一度とらわれてしまうと、なかなかその感情からは抜け出すことが難しいものです。しかし、マイナスな思いに苛まれれば苛まれるほど、今度は逆に大切にしたい人たちが意識の外に追いやられてしまいます。

 人は一度に別々のことを考えられるようにはできていません。縁の繋がっている大切な人々との絆を強め、苦手な人とはきちんと適切な距離を置く。そのためには、負の感情にとらわれるのではなく、今ある絆を強め、意識することが大切なのです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』

“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23
鎌田東二
京都大学名誉教授
2

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源

中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授
3

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化

大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
田口佳史
東洋思想研究家
4

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担

人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
5

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学

日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14