社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.12.04

会社の「老害」とうまく付き合う3つの方法

 若い人に対して古い価値観や自分なりの正論を相手に押しつける、若い人の話には耳を貸さず、年少というだけで未熟扱いする、沸点が低く些細なことでキレてしまう…。こうした高齢者は「老害」と呼ばれ、時代とともに変化している価値観についていけていない自覚を持っていません。こうした老害が会社で力を持っていると、若い社員が活躍できず、組織の代謝が悪くなっているケースは少なくないでしょう。

 「触らぬ神にたたりなし」というように、関わると厄介なことになる人には近づかないことが一番ですが、仕事をする上で無視するのは不可能な場合もあります。今回はどうすれば会社の老害とうまく付き合えるのか、3つの方法を紹介しましょう。

相手を受け入れて味方と思わせる

 老害と呼ばれる人はほかの人からも冷たくあしらわれ、腫れ物を扱うように接せられることが多く、いわば孤立感が原因で怒りっぽくなっているともいえます。そんな相手には「そうなんですね、勉強になります」と受け入れる姿勢を見せれば、味方だと認識してもらえるためネガティブな感情をあてられることは少なくなるでしょう。

 さらにこうした人物は社歴が長かったり、それなりの権力を持っている場合もあります。そうした人と仲良くしておくことで上層部や他部署とのパイプができるといったメリットを享受できる場合もありますので、社内政治の一環として割り切ることもひとつの考え方です。

深入りはしない

 自分のメリットのため、社内政治のためとはいえ、関わることが我慢できない人もいると思います。しかし、言われたことに対して反論して口論になってしまっても、平行線になる可能性が高いことを知っておくことが大切です。たとえ相手が間違っていても、相手は自分の経験と価値観に自信を持っているために年下の言葉を受け入れようとはしないものです。こうした相手に労力を使うのはエネルギーと時間を無駄遣いしているともいえます。

 そのため、相手にしないというのもひとつの対処法といえます。余計な話が始まりそうになったときには「すみません、時間がないので失礼します」と受け流したり、言われたことを話半分で聞き流すなどのスルースキルを身につけたりして、なるべくストレスをためないようにしましょう。

愚痴を共有できる仲間を見つける

 どんな対応をしていても老害に対処することでストレスを蓄積してしまうのはもったいないですよね。そうならないために、共感してくれる仲間を作っておくことが大切です。人間は負の感情をアウトプットしないでためこんでおくとストレスとして蓄積してしまい、いつしか心身の健康を損ねてしまいかねません。そうならないためにも、愚痴を共有できる仲間を見つけておきましょう。そして嫌なことがあったり、愚痴を吐き出したいと思ったときには話を聞いてもらうと同時に、相手の話も聞いてあげる関係を築くことが大切です。

 気を付けなければいけないのは、会社にいるすべての高齢者が老害ではないということ。中には若い人の話にも耳を傾ける謙虚さを持った人もいますし、そうした人物は多くの人から尊敬を集めていることでしょう。すべての年配の上司を老害だと排除するのはもったいないということは心に留めておきましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景

チベット、内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米諸国から強い批判を浴びている中国。しかし、こうした人権問題は今に始まったことではない。中華人民共和国建国の経緯と中国共産党の思...
収録日:2021/10/15
追加日:2021/12/24
橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
2

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如

現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
3

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害

高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
4

質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?

質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?

歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために

歴史上の出来事の本質を知るには、その真贋を見定めなければいけない。そのためにはどうすればいいのか。記述の異なる複数の本がある場合、いかにして真実を見極めるか。また、司馬遼太郎の作品が「歴史事実」として認識されて...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/12/02
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授