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東京より秋田が賢い?日本の見えざる地域格差
日本について考えるとき、見逃してはならないのが地域格差です。たとえば、都内だけも「23区格差」という言葉があるくらいで、同様にして日本全国には「都道府県格差」があり、なかなか一概に語ることはできません。
なかでもよく比較されるのが「学力」です。その他さまざまな分野において、個別に分け入って調べなければ見えにくい格差があります。政治的には東京一極集中が大きなテーマとなっていますが、なんでも東京がナンバーワンというわけでもありません。日本の見えざる格差をすこしだけ覗いてみましょう。
上位三県の取り組みについて、たとえば秋田県は、全国学力テストが実施されるより前、平成13年から少人数学級やティームティーチングによる少人数授業を推進しており、平成14年からは秋田県独自の「学習状況調査」を行ってきたのだそうです。
上位三県の共通点については、全国学力テストや独自に行う学力調査の結果を分析し、課題を洗い出し、明確な目標を立てたうえで指導法を教育現場に落とし込み実施するという、PDCAサイクルを構築している点。冊子やリーフレット、映像資料や研修会を実施するなど、教員の指導力向上にも力を入れているとしています。
大学進学率が高いのは東京、京都、神奈川など「私学の多い大都市圏」と「大学通信キャンパスナビ ネットワーク」を運営する安田賢治氏は述べています。
これは「私学の多い大都市圏」の経済力が大学進学率を押し上げているということでしょう。もし、学力上位三県に相応の学力があるのに経済的理由のために大学に行けないという人が多いのなら、学力上位三県と私学の多い大都市圏には、単に経済的格差という言葉では表せない「見えざる格差」があると言えます。
多量の飲酒といえば、心配なのが健康です。けれども、心筋梗塞に関していえば、秋田県はそれほど心配ありません。実は、秋田県は急性心筋梗塞の死亡率が全国的にかなり低いのです。
日本経済新聞によると、女性は全国で最も低く、最も高い福島県と5倍の差があります。男性も熊本県、佐賀県についで3番目に低い結果となっています。
これまでの結果をまとめると、秋田県民は学力が高く、日本酒をたくさん飲み、けれども心筋梗塞が少ないということになります。
しかも、1992年から1999年まで政府が実施していた豊かさ指標(国民生活指標)と、2014年から現在まで日本総合研究所が行っている全47都道府県幸福度ランキングの両方で、福井県は1位の座を譲ったことがないというから驚きであるとBusiness Journalは伝えています。
学力が高く、日本酒の購入額が多く、幸福度も高いとは、なんともうらやましいかぎりですが、「文部科学省が2010年に実施した「地域の生活環境と幸福感についてのアンケート」では、福井県は35位」となっていました。
要するに、当の福井県民の多くは「あまり幸福ではない」と感じているというデータがあるわけです。記事では、数字から見るだけでは、「幸福」は測りきれないのかもしれないと締めくくっています。
以上のように、学力が高くても大学進学率は低かったり、幸福度が高いと思ったら実は幸福の実感値は低かったり、指標が増えれば増えるほど結果が複雑化します。調査対象を都道府県だけでなく、市区町村まで広げたら、都道府県格差にも矛盾が生じるはずです。とはいえ、単純な指標だけでは「見えざる格差」を捕まえることはできません。
「幸福度」が話題にあがりましたが、政治的に国民の幸福度に応えるためには多様な「見えざる格差」に対するきめ細やかな対応が必要です。ビジネスの観点から言えば、「見えざる格差」の独自の発見がビジネスチャンスになることでしょう。その意味で「見えざる格差」はネガティブな側面だけでなくポジティブなポテンシャルを持っていると言うこともできるのです。
なかでもよく比較されるのが「学力」です。その他さまざまな分野において、個別に分け入って調べなければ見えにくい格差があります。政治的には東京一極集中が大きなテーマとなっていますが、なんでも東京がナンバーワンというわけでもありません。日本の見えざる格差をすこしだけ覗いてみましょう。
「学力」は秋田、石川、福井が常連の上位県
教育情報サイト「リセマム」は、8月28日に公開された平成29年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)において、小学生、中学生ともに上位には「常連」とも言える秋田県、石川県、福井県が並んだと伝えています。上位三県の取り組みについて、たとえば秋田県は、全国学力テストが実施されるより前、平成13年から少人数学級やティームティーチングによる少人数授業を推進しており、平成14年からは秋田県独自の「学習状況調査」を行ってきたのだそうです。
上位三県の共通点については、全国学力テストや独自に行う学力調査の結果を分析し、課題を洗い出し、明確な目標を立てたうえで指導法を教育現場に落とし込み実施するという、PDCAサイクルを構築している点。冊子やリーフレット、映像資料や研修会を実施するなど、教員の指導力向上にも力を入れているとしています。
大学進学率は大都市圏が高い
興味深いのは、上位三県の大学進学率です。実は学力の高さに比して大学進学率はそれほど高くありません。とくに秋田県は学力を考慮するとかなり低いと言えます。大学進学率が高いのは東京、京都、神奈川など「私学の多い大都市圏」と「大学通信キャンパスナビ ネットワーク」を運営する安田賢治氏は述べています。
これは「私学の多い大都市圏」の経済力が大学進学率を押し上げているということでしょう。もし、学力上位三県に相応の学力があるのに経済的理由のために大学に行けないという人が多いのなら、学力上位三県と私学の多い大都市圏には、単に経済的格差という言葉では表せない「見えざる格差」があると言えます。
秋田県は急性心筋梗塞の死亡率が低い
学力上位県の秋田県と福井県には、まったく別の観点で共通点があります。日本農業新聞は、日本酒の購入額が最も多かった都道府県は秋田、山梨、岐阜、福井、香川の5県と伝えており、日本酒の購入額も全国トップレベルという点です。多量の飲酒といえば、心配なのが健康です。けれども、心筋梗塞に関していえば、秋田県はそれほど心配ありません。実は、秋田県は急性心筋梗塞の死亡率が全国的にかなり低いのです。
日本経済新聞によると、女性は全国で最も低く、最も高い福島県と5倍の差があります。男性も熊本県、佐賀県についで3番目に低い結果となっています。
これまでの結果をまとめると、秋田県民は学力が高く、日本酒をたくさん飲み、けれども心筋梗塞が少ないということになります。
幸福度ランキング1位は福井県
『都道府県格差』(日本経済新聞出版社)には、幸福度ランキングが掲載されています。1位は、なんと福井県です。しかも、1992年から1999年まで政府が実施していた豊かさ指標(国民生活指標)と、2014年から現在まで日本総合研究所が行っている全47都道府県幸福度ランキングの両方で、福井県は1位の座を譲ったことがないというから驚きであるとBusiness Journalは伝えています。
学力が高く、日本酒の購入額が多く、幸福度も高いとは、なんともうらやましいかぎりですが、「文部科学省が2010年に実施した「地域の生活環境と幸福感についてのアンケート」では、福井県は35位」となっていました。
要するに、当の福井県民の多くは「あまり幸福ではない」と感じているというデータがあるわけです。記事では、数字から見るだけでは、「幸福」は測りきれないのかもしれないと締めくくっています。
以上のように、学力が高くても大学進学率は低かったり、幸福度が高いと思ったら実は幸福の実感値は低かったり、指標が増えれば増えるほど結果が複雑化します。調査対象を都道府県だけでなく、市区町村まで広げたら、都道府県格差にも矛盾が生じるはずです。とはいえ、単純な指標だけでは「見えざる格差」を捕まえることはできません。
「幸福度」が話題にあがりましたが、政治的に国民の幸福度に応えるためには多様な「見えざる格差」に対するきめ細やかな対応が必要です。ビジネスの観点から言えば、「見えざる格差」の独自の発見がビジネスチャンスになることでしょう。その意味で「見えざる格差」はネガティブな側面だけでなくポジティブなポテンシャルを持っていると言うこともできるのです。
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