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DATE/ 2018.04.05

短気は損気!無駄なイライラをおさめる方法

 一昔前、キレる若者が社会現象としてマスコミで大きく取り上げられました。現在は、クレーマーが問題視されたり、キレる高齢者も激増しているそうで、若者に限らず短気な日本人が増えているように思われます。

 でも、些細なことで怒るのはとっても損。自分も相手もストレスが溜まります。誰だって、怒って不幸な気持ちになるより、笑って幸せな時間を過ごしたいと思っているはず。どうすれば、無駄なイライラをおさめることができるのか。具体的な方法を探ってみましょう。

イライラしてしまうのは根っこに憎しみがあるから

 『イライラのおさめ方』や『イライラのしずめ方』の著者であり、ラジオ番組「テレフォン人生相談」のパーソナリティーを40年以上にわたって務める加藤諦三さんはもっと根本的な問題を指摘します。それは心の問題です。すぐにイライラしてしまうのは根っこに憎しみがあるからだと指摘しています。これが解消されない限りは、心は満たされず、イライラ病はずっとつきまといます。

 また、相手に対して「こうあってほしい」「こうあるべき」という願望もトラブルのタネになります。自分の理想と現実が食い違う時、怒りは生まれるのです。では、どうすればいいのか。加藤さんは現実を受け入れることができれば怒りや悩みは消えると述べています。そして、現実の自分を好きになることです。自分を好きにならなければ、他人のことを信じることはできないということです。

怒りをコントロールする方法

 また、「アンガーマネジメント」の日本の第一人者である安藤俊介さんとウォーキングトレーナーとして有名なデューク更家さんの共著『アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術』では、怒りをコントロールする方法を説いています。

 怒らない人はいません。誰でも怒ってしまうのだから、怒るのを恐れたり我慢するのではなく、それを前提にコントロールしましょうという提案です。

 コントロールするために、まず自分がどんな怒りのタイプなのかを知っておくことを勧めています。たしかに、怒る理由は人それぞれです。自分の怒りのタイプがわかっておけばコントロールしやすくなりますね。

 タイトルに「たった6秒で怒りを消す技術」とありますが、これは、怒ってしまったと思ったら、その瞬間からの6秒間が重要だということでもあります。方法としては、6秒間、何も考えないようにします。まさに無の状態。言葉にするのは簡単ですが、行うは難し。これを体得するためにはトレーニングを重ねる必要があります。でも、怒りをコントロールするヒントは、なんとなくつかめたのではないでしょうか。

自分をよく知るということ

 加藤さんのように、奥深い視点から怒りを考えることはとても大事なことだと思います。ただし、効果が得られるまでには時間がかかります。よって、『アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術』が伝える実践的な方法も知っておくと役に立ちそうです。

 この二つには共通点があります。それは自分をよく知るということです。自分の中に怒りの種があるということです。これは確かにその通りで、同じような状況でも、怒る人もいれば、全然ヘッチャラでニコニコ笑っている人もいます。

 さきほども触れましたが、過度の我慢はいけません。優しい人ほど、怒りを抑えようとしてしまう傾向があります。でも、我慢はずっと続けることはできません。どこかで潰れてしまうか、爆発してしまいます。怒りは抑えるのではなく、どうやってコントロールするか。今回のコラムをヒントにして、ぜひイライラ解消に挑戦してみてください。

<参考文献、参考サイト>
『イライラのおさめ方』(加藤諦三著、PHP研究所)
『イライラのしずめ方』(加藤諦三著、PHP研究所)
『アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術』(安藤俊介・デューク更家著、集英社)
・MYLOHAS:怒りを感じたとき、たった6秒でイライラをしずめる方法
https://www.mylohas.net/2017/01/059973anger_management.html

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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授