テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.08.27

ビジネスシーンで「話が上手い」人の特徴

 まわりに「話が上手いな」と思う人が一人はいるはずです。そんな「話が上手い人」のイメージは、誰でもだいたい共通しています。でも、言葉で説明しようとするとなかなか難しいもの。今回は、「話が上手い人」の特徴に具体的に迫っていきます。

聞き上手は話し上手

 「話が上手い人」と一口に言っても、そのシチュエーションによって異なるでしょう。ビジネスシーンにおいては、どんな人が「話が上手い」と思われているのか。別々の職場で働く30~40代の3名の男性に聞き取りを行いました。

 第一に挙がったのが「論理的」で「話が整理されている」ことでした。たしかに、論理的な人は「伝える力」だけではなく、「読解力」も優れています。そのため「聞く力」、すなわち相手に「寄り添う力」があります。「話が上手い」と思われやすいのは必然でしょう。

 「聞き上手は話し上手」と言われますが、まさにその通りです。

「論理力」に勝る「ユーモア力」

 また、「論理力」に加えて「例示の力」という回答もありました。いかに意見にそくした的確な具体例を引き出せるか。シチュエーションによっては、「例示」「たとえ話」のうまさが「論理力」を凌駕することもあるでしょう。プライベートでは、「論理」よりもむしろ「たとえ話」の引き出しが多いほうが好まれるかもしれません。

 「たとえ」の力は、作家やクリエイターも欲しがる非常に創造的な能力です。いくら論理が優れていても、ありきたりな「たとえ」しかできない人は「話がつまらない人」と思われてしまいます。「たとえ」は「メタファー」とも言います。もっと親しみのある言葉で言うなら、「ユーモアの力」と言ってもいいでしょう。

見た目も大事な判断材料に

 ビジネスやプライベートなど、シーンを分けずに考えれば、ユーモアに勝るものはありません。ただし、ビジネスシーンでは、ユーモアがあっても論理力がなければ、ただの「面白い人」と思われるだけでしょう。

 論理やメタファーといった言葉の技術のほか、「話の上手さ」には「話し方」や「見た目」も大きく関わってきます。ぼそぼそと小さな声で話す人を「話が上手い」とは思わないでしょう。はきはきとした口調で、親しみやすいほうが好印象です。

 さらに清潔感があり、ニコニコしているといった見た目の印象も大事な判断材料になります。

まずは聞き上手になろう

 結局のところ、だれもが思うのは「どうすれば話し上手になれるのか」ということ。今回取材した3人も同じことを口にしました。

 とはいえ、簡単に「話し上手」になることはできません。また、「話し上手」といってもシーンによって大きく異なることを理解しましょう。大切なことは、ターゲットを絞って誰にとっての「話し上手」になりたいのかを定めることです。会社の同僚なのか、家族なのか、恋人なのか、それによって「話し上手」として求められる能力は違います。

 もうひとつ大事なことは、「話し上手」になりたい目的は何かということです。たとえば、その目的が「相手を楽しませたい」というサービス精神から生まれたものだとしたら、「相手は自分の話しを求めているのか」という根本的な疑問からスタートしてみるのもいいでしょう。もしかすると、相手は「話し上手」ではなく「聞き上手」を求めているかもしれません。

<参考文献>
・『伝える力』(池上彰著、PHP)
・『聞く力―心をひらく35のヒント』(阿川佐和子著、文藝春秋)
・『たとえる技術』(せきしろ著、文響社)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的

トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的

第2次トランプ政権の危険性と本質(2)トランプ関税のおかしな発想

「トランプ関税」といわれる関税政策を積極的に行う第二次トランプ政権だが、この政策によるショックから株価が乱高下している。この政策は二国間の貿易収支を問題視し、それを「損得」で判断してのものだが、そもそもその考え...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/17
柿埜真吾
経済学者
2

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性

アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
3

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。

第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城

相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城

世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(1)「相互関税」とは何か?

トランプ大統領は、2025年4月2日(アメリカ時間)に貿易相手国に「相互関税」を課すと発表し、「解放の日」だと唱えた。しかし、「相互関税」の考え方は、まったくよくわからないのが実状だ。はたして、トランプ大統領がめざす...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/10
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授