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最も「お金の知識」がある都道府県は?
消費税率の引き上げや、老後2000万円問題など、このところお金に関する話題がだいぶ大きくなってきました。お金に関する知識の重要性は日増しに高まっています。この点に関して、興味深い調査が発表されました。お金の知識などを問う「金融リテラシー調査」と呼ばれるもので、日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が実施しています。金融取引や経済の基礎知識、家計管理、資産形成などに関し質問したものです。今回はこの結果を見つつ、日本国内での「お金の知識の現状」を見てみましょう
都道府県別の正答率トップ5は以下の通り(パーセント表記は正答率)。なお、正答率全国平均は56.6%となっています。
1位:香川県(前回2位)62.3%
2位:長野県(前回7位)59.8%
3位:山形県(前回45位)59.0%
4位:山口県(前回30位)58.6%
5位:静岡県(前回8位)58.4%
同5位:岡山県(前回4位)58.4%
以下、ワースト5です。
43位:長崎県(前回42位)54.0%
44位:宮城県(前回39位)53.6%
45位:栃木県(前回26位)53.2%
46位:佐賀県(前回39位)52.7%
47位:沖縄県(前回46位)51.8%
都道府県別の正答率トップは香川県で62.3%。2016年に実施された前回調査の2位から首位になっています。正答率を見ても、他の都道府県にやや差をつけている印象です。一方の最下位は沖縄県で51.8%となりました。分析によると、前回調査と比較すると、九州地方が横ばいである以外は、全ての地方で正答率は前回調査よりも上昇しているようです。また、正答率の低い都道府県ほど、振り込め詐欺や多重債務などの金融トラブルに巻き込まれる割合が高い傾向があるとのこと。
ただし、宮崎県の正答率は2016年25位から2019年は40位なので、正答率を落としています。しかし、総じて、学校等での金融教育が効果を上げている、ということはできるのではないでしょうか。ちなみに、正答率で2016年45位だった山形県が2019年で3位まで急上昇している要因については、「家庭において」金融教育を受けた人の割合が3位となっている点が関係しているかも知れません。
また、全体の平均正答率は、前回調査の55.6%から56.6%に上がっていますが、比較可能な共通正誤問題の正答率は欧米諸国を下回っています。こういった点を総合すると、若年層の金融教育を受ける機会の確保が課題と言えるようです。
金融リテラシー調査、トップは香川県
金融リテラシー調査とは、18歳以上の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする大規模調査です。最新版は2019年3月に、全国の18歳から79歳、25,000人に対するインターネット・モニター調査で実施されました。内容としては、「家計管理」「生活設計」「金融知識」「外部知見の活用」「金融教育のニーズ、経験」といった分野から出題されています。都道府県別の正答率トップ5は以下の通り(パーセント表記は正答率)。なお、正答率全国平均は56.6%となっています。
1位:香川県(前回2位)62.3%
2位:長野県(前回7位)59.8%
3位:山形県(前回45位)59.0%
4位:山口県(前回30位)58.6%
5位:静岡県(前回8位)58.4%
同5位:岡山県(前回4位)58.4%
以下、ワースト5です。
43位:長崎県(前回42位)54.0%
44位:宮城県(前回39位)53.6%
45位:栃木県(前回26位)53.2%
46位:佐賀県(前回39位)52.7%
47位:沖縄県(前回46位)51.8%
都道府県別の正答率トップは香川県で62.3%。2016年に実施された前回調査の2位から首位になっています。正答率を見ても、他の都道府県にやや差をつけている印象です。一方の最下位は沖縄県で51.8%となりました。分析によると、前回調査と比較すると、九州地方が横ばいである以外は、全ての地方で正答率は前回調査よりも上昇しているようです。また、正答率の低い都道府県ほど、振り込め詐欺や多重債務などの金融トラブルに巻き込まれる割合が高い傾向があるとのこと。
金融教育の効果は出ている
「学校等において金融教育を受けた人の割合」という分析項目があります。この割合を見ると、トップは山梨県(13.2%)、2位は香川県(9.7%)、3位宮崎県(9.5%)、4位青森県(8.8%)、同4位長野県(8.8%)となっています。ここで1位の山梨県は、正答率ランキングで2016年は47位と最下位でしたが、2019年の調査では15位まで上昇しています。また、ここで2位の香川県、4位の長野県は正答率ランキングでの1位、2位です。長野県と同じく4位の青森県も正答率ランキングでは、2016年の44位から2019年は33位に向上しています。ただし、宮崎県の正答率は2016年25位から2019年は40位なので、正答率を落としています。しかし、総じて、学校等での金融教育が効果を上げている、ということはできるのではないでしょうか。ちなみに、正答率で2016年45位だった山形県が2019年で3位まで急上昇している要因については、「家庭において」金融教育を受けた人の割合が3位となっている点が関係しているかも知れません。
公務員、教員がトップ
また、金融知識・判断力に関する部分での正答率を職業別に見ると、「公務員」と「教員」が65.1%で並び、「高齢者」は64.6%、「会社員」「自営業」はともに57.4%、「主婦・主夫」は57.1%、「一般社会人」が56.4%で平均の56.6%を越えています。あとは、「パート・アルバイト」が51.2%、「若年社会人」44.3%、「学生」42.0%となっています。また、年齢別に見ると、年齢層が上がれば上がるほど、正答率は高くなっているようです。また、全体の平均正答率は、前回調査の55.6%から56.6%に上がっていますが、比較可能な共通正誤問題の正答率は欧米諸国を下回っています。こういった点を総合すると、若年層の金融教育を受ける機会の確保が課題と言えるようです。
<参考サイト>
・お金の知識、首位は香川=2位長野、3位山形-金融広報委調査|JIJI.COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019070301186&g=eco
・50代で年金受給額「知らない」6割超、老後資金なし7割超-日銀調査|Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-03/PU1RJD6JTSE801
・金融リテラシー調査(2019年)|知るぽると
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/
・お金の知識、首位は香川=2位長野、3位山形-金融広報委調査|JIJI.COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019070301186&g=eco
・50代で年金受給額「知らない」6割超、老後資金なし7割超-日銀調査|Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-03/PU1RJD6JTSE801
・金融リテラシー調査(2019年)|知るぽると
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/
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