社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「投資」と「節約」どちらが賢い選択なのか?
2016年に日銀がマイナス金利を導入したあおりを受け、銀行は一斉に預金金利の引き下げを行いました。これ以降、主要メガバンクでは高金利とされる定期預金でも金利が0.01%と、過去最低レベルになっています。これは100万円を1年間預けたとして、100円しか利息がつかない計算になります。
しかし、経済の活性化はあくまでマクロな視点での話。個人の利益とは別物です。投資は確かにお金を増やす有効手段のひとつですが、必ずうまくいくわけではないことを理解しておく必要があります。
その特別な意味とは、利益の変動幅を指す「標準偏差」です。たとえば、価値が一度に100円上がる投資対象は一度に100円下がる可能性もあります。これは1000円でも1万円でも同じことです。変動幅が小さければ「リスクが低い」、大きければ「リスクが大きい」投資となります。
この標準偏差=リスクとともに年間の利益率を指す「年率平均リターン」=「リターン」を見れば、将来的に高確率で起きる変動幅がわかります。リスク20%でリターン5%の投資対象の場合、5%の上下20%であるマイナス15%から25%の間で利益が変動する可能性が高いということになります。
つまり、投資はリスクとリターンを見て自分に合ったものを選ぶ必要があります。そして同時に、必ずマイナスになる可能性があるのです。
ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんによると、投資するつもりで月に1万円貯めるほかに3730円を節約する生活を30年続ければ、利息2%の投資を続けたのとほぼ同じお金が手元に残るのです。もちろん、節約なら価値の変動に気を揉む必要も損失が出る心配もありません。
節約に最も重要なのは、無駄遣いを減らすことです。ただし、そのためにはなにが無駄なのかを把握しなくてはなりません。そこで効果的なのが家計簿。これで支出を見える化すると、気分転換のお菓子やお酒、銀行ATMの手数料など、想像以上の無駄遣いが見つかるはず。ここから節約生活をはじめてみましょう。
さらに、節約に慣れて多く貯めることができるようになれば、その分を投資に回す手もあります。投資というと、数百万円くらいのまとまったお金が必要なイメージがあるかもしれませんが、実は月々数千円程度からはじめられる少額投資もあります。いきなり無理をしなくても、敷居が低いところからチャレンジすればよいのです。
いずれにしても、投資も節約も長期間続けなければ効果が見えにくいもの。生活の中に無理なく取り込めるレベルで、楽しみながら実践するのが賢いやり方です。
空前絶後の低金利時代を乗り切るには…
こうなると、預金してもほぼお金を眠らせているだけですよね。そこでひらめくのが投資ではないでしょうか。実際に多くの銀行が、以前に増して投資を勧めるようになっています。実はこの流れこそがマイナス金利の狙い。銀行は日銀にお金を預けていても損するばかりなので、金融商品の販売や貸付を積極的に行います。こうすることで経済が回り、活性化するわけです。しかし、経済の活性化はあくまでマクロな視点での話。個人の利益とは別物です。投資は確かにお金を増やす有効手段のひとつですが、必ずうまくいくわけではないことを理解しておく必要があります。
投資が持つ「リスク」の意味
投資というと、多くの人は「必ずリスクがつきまとう」というイメージを持っているでしょう。これはもちろん事実ですが、「リスク」という言葉を投資に対して使う場合、本来の「危険」以外にも特別な意味を持つことを忘れてはなりません。その特別な意味とは、利益の変動幅を指す「標準偏差」です。たとえば、価値が一度に100円上がる投資対象は一度に100円下がる可能性もあります。これは1000円でも1万円でも同じことです。変動幅が小さければ「リスクが低い」、大きければ「リスクが大きい」投資となります。
この標準偏差=リスクとともに年間の利益率を指す「年率平均リターン」=「リターン」を見れば、将来的に高確率で起きる変動幅がわかります。リスク20%でリターン5%の投資対象の場合、5%の上下20%であるマイナス15%から25%の間で利益が変動する可能性が高いということになります。
つまり、投資はリスクとリターンを見て自分に合ったものを選ぶ必要があります。そして同時に、必ずマイナスになる可能性があるのです。
節約は投資と同じ利益をもたらす
お金は増やしたいけど損失は出したくない……というのがほとんどの人の本音ですよね。それならば投資より節約のほうが確実といえます。節約というと、増やす手段とは違う感じがしますが、実は結果的に投資と同じ結果をもたらしてくれるのです。ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんによると、投資するつもりで月に1万円貯めるほかに3730円を節約する生活を30年続ければ、利息2%の投資を続けたのとほぼ同じお金が手元に残るのです。もちろん、節約なら価値の変動に気を揉む必要も損失が出る心配もありません。
節約に最も重要なのは、無駄遣いを減らすことです。ただし、そのためにはなにが無駄なのかを把握しなくてはなりません。そこで効果的なのが家計簿。これで支出を見える化すると、気分転換のお菓子やお酒、銀行ATMの手数料など、想像以上の無駄遣いが見つかるはず。ここから節約生活をはじめてみましょう。
節約した資産で投資する手もある
また八ツ井さんの指摘では、行動経済学において人間は苦労せずに手に入れたお金ほど浪費しやすいとのこと。投資で得たお金はもちろんさまざまな手を尽くした結果のものですが、労働で得たお金と比べるとどうしても楽に手に入れたと思いがちです。この点から考えても、投資より先に節約からはじめるほうがお金に対する意識が高くなるでしょう。さらに、節約に慣れて多く貯めることができるようになれば、その分を投資に回す手もあります。投資というと、数百万円くらいのまとまったお金が必要なイメージがあるかもしれませんが、実は月々数千円程度からはじめられる少額投資もあります。いきなり無理をしなくても、敷居が低いところからチャレンジすればよいのです。
いずれにしても、投資も節約も長期間続けなければ効果が見えにくいもの。生活の中に無理なく取り込めるレベルで、楽しみながら実践するのが賢いやり方です。
<参考サイト>
・PRESIDENT Online:なぜ、たった月3000円台の節約が「2%複利」の投資に匹敵するか
http://president.jp/articles/-/14665?display=b
・PRESIDENT Online:なぜ、たった月3000円台の節約が「2%複利」の投資に匹敵するか
http://president.jp/articles/-/14665?display=b
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本は再エネが難しい!?再エネ比率が高い国との相違点
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(3)電力の部分最適と全体最適
サステナブルな電力の供給と消費が求められる現代社会。太陽光発電のように電力の生産拠点が多元化する中で、それぞれの電力需給と国全体の電力需給のバランス調整が喫緊の課題となっている。実はヨーロッパなどの「再エネ比率...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/04/27
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(2)ChatGPT開発秘話
仕事をはじめさまざまな生活シーンで多様な役割をこなすチャットボットとなった「ChatGPT」。OpenAIが公開したこのサービスが世界中を驚かせるまでには、その創業に携わったサム・アルトマンとイーロン・マスクの対立など紆余曲...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/26
運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運
運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか
普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08