社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「老後資金」を貯めることより大事なこととは?
レシピや家事では「チョイ足し」が人気ですが、いよいよ働き方まで「チョイ働き」が注目される時代になってきました。なぜ今注目されているのか。長期デフレ時代の「闘う家計術」を呼びかける荻原博子さんの著書『10年後破綻する人、幸福な人』を参考に、調べてみました。
例えば、オリンピックの終わる2020年から景気は急激に悪化する可能性がある!ということで、『10年後破綻する人、幸福な人』では、10年後どころか、ほんの4年先に不況が待っているといいます。
たしかにオリンピックやコロナ禍が終わった現在は止まらない円安に物価の高騰…。数年前まではもっと安かったのに、たくさん入っていたのに、なんて思ってしまう商品は多くの人が心当たりがあるでしょう。
結局、デフレが続くにしろインフレが来るにしろ、今やっておかなければならない一番大事なことは「借金を減らすこと」だと荻原さんは言います。
安心な老後を迎えるためには、国の年金に頼らず投資信託などでコツコツ貯めるのがいいという人もいます。しかし、住宅ローンを抱えたまま、あるいは自動車ローンや教育ローンで借金返済をしながら、一方でお金を貯めるのは矛盾しています。
この10年の経済変動を見据えて、身軽に動くためにも借金は今のうちに返済しておくことが大事なのです。
家計を切り詰めると思うとやりきれなくなりますが、「ダウンサイジング」と考えてみるのはいかがでしょうか。現在の支出の1割減を目指すことは、決して無理な目標とは思えません。その上で、チョイ働きで収入を増やす。もうダブルワークでそれどころではない、という人は別として、萩原さんが提唱するのはネットの活用です。ネットショップを開くほど大がかりでなくてもいいので、自分ができること、やりたいことをネットに繋げて稼げるようにしておく。情報の動いているところからは、必ず何かのヒントがあふれているからです。
たくさんのお金をかけ、苦労して資格を取るよりも、配偶者などを味方につけてミニ起業。あながち夢ではないかもしれません。
2020年は景気の折り返し
本書が発刊されたのは2016年であり、10年近く前のものになります。しかし今でも読み返してみると、当たっていると思うことや、なるほど、と改めて気付きを与えてくれる内容が盛りだくさんです。例えば、オリンピックの終わる2020年から景気は急激に悪化する可能性がある!ということで、『10年後破綻する人、幸福な人』では、10年後どころか、ほんの4年先に不況が待っているといいます。
たしかにオリンピックやコロナ禍が終わった現在は止まらない円安に物価の高騰…。数年前まではもっと安かったのに、たくさん入っていたのに、なんて思ってしまう商品は多くの人が心当たりがあるでしょう。
老後資金より借金を減らすこと
一部では、財政が破綻してハイパーインフレが来ることを心配する声さえ上がっています。そこまでいかなくてもインフレになれば金利が上がるので、借金の支払いに頭を痛めることは目に見えています。結局、デフレが続くにしろインフレが来るにしろ、今やっておかなければならない一番大事なことは「借金を減らすこと」だと荻原さんは言います。
安心な老後を迎えるためには、国の年金に頼らず投資信託などでコツコツ貯めるのがいいという人もいます。しかし、住宅ローンを抱えたまま、あるいは自動車ローンや教育ローンで借金返済をしながら、一方でお金を貯めるのは矛盾しています。
この10年の経済変動を見据えて、身軽に動くためにも借金は今のうちに返済しておくことが大事なのです。
家計のダウンサイジングとチョイ働き
さて、国や地方がどうなろうと、最も大事なのは「自分の家計」だと荻原さんは割り切りを呼びかけています。そのために大事なのは出ていくマイナスを抑え、プラスを増やすこと。家計を切り詰めると思うとやりきれなくなりますが、「ダウンサイジング」と考えてみるのはいかがでしょうか。現在の支出の1割減を目指すことは、決して無理な目標とは思えません。その上で、チョイ働きで収入を増やす。もうダブルワークでそれどころではない、という人は別として、萩原さんが提唱するのはネットの活用です。ネットショップを開くほど大がかりでなくてもいいので、自分ができること、やりたいことをネットに繋げて稼げるようにしておく。情報の動いているところからは、必ず何かのヒントがあふれているからです。
たくさんのお金をかけ、苦労して資格を取るよりも、配偶者などを味方につけてミニ起業。あながち夢ではないかもしれません。
<参考文献>
・『10年後破綻する人、幸福な人』(荻原博子著、新潮新書)
・『10年後破綻する人、幸福な人』(荻原博子著、新潮新書)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
実際に史料をどうやって読み解いていけばいいのか。今回から具体的な史料の読み解き方をケース・スタディしていく。最初は『太閤記』に関する参考資料を用いて、太閤・豊臣秀吉と関白・秀次の関係を考える。そもそも『太閤記』...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/22
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
労働経済を学んでいた島田氏は、ウィスコンシン大学留学中、労働者の教化運動に参加している。アメリカ産業史を学習する中、労働運動の実態を触れ、ウォルター・ルーサーとヘンリー・フォードの熾烈な闘いを知ったからだ。労働...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/18


