社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.05.15

ふるさと納税は実質2000円で特産品が貰える制度!

 2017年、株式市場は日経平均株価が経済バブル以来28年ぶりに6年連続で上昇、暗号通貨の高騰もあり、給与やボーナス以外でも利益を得た人も少なくないのでは。収入が増えると税金の心配が、そこで貢献するのが「ふるさと納税」です。

 ふるさと納税とは、地方自治体への寄付を通じて地域創生に参加できる制度のことです。自分の生まれ育った地方だけでなく、応援したい自治体に寄付できるのが特徴です。寄付するとその返礼として、その土地の特産品や名産品が「お礼品」として貰えることから人気を集めています。

 本コラムでは「税金控除」という切り口から「ふるさと納税」を探ってみたいと思います。

家族構成や年収に応じて控除額が決まる

 ふるさと納税は、寄附金から2,000円を差し引いた分を、所得税と住民税から還付・控除となります。還付・控除が受けられる寄付額には、上限額が設けられているので注意が必要です。上限額は給与収入(年収)や家族構成で異なるため、シミュレーションが必要となります。

 例えば、年収400万円の独身者または共働きの方であれば控除上限額の43,000円まで寄附ができ、2,000円を差し引いた41,000円分が所得税や住民税から還付・控除されます。

 「ふるさとチョイス」など納税サイトでは、簡単にシミュレーションできるので、それぞれのケースで最適な納税額を選択しましょう。

控除の手続きは簡単!

 手続きは、「確定申告」もしくは「ふるさと納税ワンストップ特例制度」という2つの方法があります。

 確定申告している場合は、基本的には、ふるさと納税した自治体から届く「受領書」をもとに、翌年の確定申告で還付の申請を行います。確定申告のメリットは、寄付する自治体の数に制限がないことと、所得税と住民税からの控除を受けられることとなります。

 サラリーマンなど確定申告をしていない場合、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が便利です。手続きは書類の提出だけで、寄付者はふるさと納税をした翌年度分の個人住民税の控除が受けられます。専用の申請用紙に名前や住所、マイナンバー、寄付をした日付などの必要事項を記入して、マイナンバーと本人確認書類の写しを同封して、ふるさと納税をした自治体へ送付すれば完了。なお、書類は、翌年の1月10日までに各自治体へ到着することが必須となります。また、ワンストップの特例が使えるのは年間5自治体までの寄付となりますので注意しましょう。

節税効果は抜群!

 一般的に経費として10万円の支出がある場合、年収によっても変わりますが所得税率が20%なら20,000円の節税となります。一方、ふるさと納税の場合、10万円の寄付で自己負担の2,000円を除いた98,000円分が節税になります。2000円の負担はありますが、比較するとその効果は一目瞭然であり、ふるさと納税の場合、返礼品も貰えるので、一挙両得の制度といってよいでしょう。
※2017年12月更新

<参考サイト>
・ふるさとチョイス:「ふるさと納税」還付・控除限度額計算シミュレーション
https://www.furusato-tax.jp/example.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる

「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/19
2

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割

豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
黒田基樹
駿河台大学法学部教授 日本史学博士
3

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者
4

日本の外交には「インテリジェンス」が足りない

日本の外交には「インテリジェンス」が足りない

インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動

国家が的確な情報を素早く見つけ行動するためには、インテリジェンスが欠かせない。日本の外交がかくも交渉下手なのは、インテリジェンスに対する意識の低さが原因だ。日本人の苦手なインテリジェンスの重要性について、また日...
収録日:2017/11/14
追加日:2018/05/07
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授