激動する世界情勢と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
国民が総活躍し、地方が創生されるのは絵空事なのか
激動する世界情勢と日本(9)現代日本の構造的難題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
「一億総活躍」など、参院選に向けた選挙対策にすぎない。千葉商科大学学長・島田晴雄氏はそう喝破する。日本が直面している最大の問題は、少子高齢化を伴う人口減少だ。これが進めば成長は鈍化し、社会保障も行き詰まる。地方創生も、あまり実効性があるとは思えない。日本の構造的問題を踏まえ、島田氏が安倍政権に物申す。(2016年1月26日開催島田塾第131回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 激動の世界経済と日本」より、全10話中第9話)
時間:7分25秒
収録日:2016年1月26日
追加日:2016年5月19日
≪全文≫

●日本最大の問題は人口減少と高齢化


 結局アベノミクスは、クイック・フィックス(応急処置)で、短期でやっていると思います。長い間続いたデフレをインフレにしてみせるということでスタートし、最初の1年はうまくいくかなと思ったのですが、結局うまくいきませんでした。

 さらに大きな問題が控えています。日本が直面している最大の問題は、人口減少です。経済成長率というのは、人口、すなわち労働力の増加率と1人当たり生産性の増加率を足したものなのです。だから『ALWAYS 3丁目の夕日』の時代に、経済成長率10パーセントが可能だったのは、大規模生産したことによる生産性上昇が8パーセントあり、人口が毎年2パーセント増えたからです。足せば10パーセントになったのです。

 今はどうかというと、産業がサービス化していますから、専門家がかなり積極的な見立てで計算すれば、生産性はネット産業で1.5パーセントほど伸びるかもしれないと言っています。ただ、労働力は毎年0.7パーセントずつ減っています。だから、引き算をしなければいけません。そうすると、かなりの楽観シナリオにしても、ネットの期待成長率、長期潜在成長率は0.5~0.8パーセントです。

 前回お話しした財政再建では、今後3パーセントを維持するように経済が成長しても、財政再建は果たせないことが明らかになっています。この状況で行くと、アベノミクスは駄目になるのではないか、ということです。

 それから深刻なのは、高齢化です。高齢化の社会的費用といって、介護とか医療とか、ものすごく社会的費用がかかるのです。国民負担率というものがありますが、高齢化比率が約25パーセントで、国民負担率は約40パーセントです。税負担率がおよそ20パーセント、社会保障の負担率もおよそ20パーセントです。ところが、2050年には高齢化率が約40パーセントになるということですから、そのときに今の制度を平行移動させると、国民負担率は約70~73パーセントになるということです。そうすると、年収500万円のご家庭の場合、可処分所得は135万円に満たないということで、これでは持続可能性がありません。唯一、持続可能性としてあり得るのは、次の世代にその負担を負わせることで、そうすればその世代はなんとかなります。次の世代というのは、われわれの孫の世代ですが、その結果、次の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(5)羽柴軍団の戦い方
長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
メンタルヘルスの現在地とこれから(4)3つの予防と4つのケア
「1on1」の効果は?メンバーの不調を見逃さないためのケア
斎藤環
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(3)言語モデルと「自己教師あり学習」
正解がタダ!?大規模言語モデルの「自己教師あり学習」とは
岡野原大輔
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝