激動する世界情勢と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アメリカ経済の変動が、戦後日本経済を生かしも殺しもした
激動する世界情勢と日本(5)戦後アメリカ経済史と日本
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本は、どこよりもアメリカ経済に翻弄されてきた。千葉商科大学学長・島田晴雄氏によれば、ブレトンウッズ体制やプラザ合意、リーマン・ショックといったアメリカ経済の動きが、日本経済を興隆もさせ、衰退もさせてきた。さらに現在では、中国の思惑も重なり、日本経済は米中の確執の間で揺れている。(2016年1月26日開催島田塾第131回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 激動の世界経済と日本」より、全10話中第5話)
時間:16分21秒
収録日:2016年1月26日
追加日:2016年5月5日
≪全文≫

●アメリカの金融政策出口戦略第二弾が開始された


 もう一つ、最大のテーマは、アメリカです。昨年(2015年)12月15日に、ジャネット・イエレンさんが連邦準備理事会の利上げをしました。これは、リーマン・ショック以来の超金融緩和政策の出口戦略の第二弾です。第一弾は、超金融緩和です。これはQE、“Quantitative Easing”と言っています。二つを合わせて日本円にすると、470兆円ほどのベースマネーを出しています。これはアメリカのGDPの20パーセントに相当するものであり、史上空前の規模です。

 日本は350兆円です。ただ日本はGDPの規模が小さいので、350兆円でも7割を占めます。これに対しアメリカは2割です。これを、一昨年10月にやめました。今度出されたのは、第二弾になります。今までゼロにしてきた金利をノーマルに戻していきたい。

 しかし急には戻せない。アメリカという国は、やはり世界最大の国なので、インパクトが大きいのです。これについては、もうベン・バーナンキさんの時からすごく慎重に言っていて、実施に2年ぐらいかかっているので、市場はほとんど織り込み済みです。したがって株価も、発表の後に少し上昇しただけで安定しました。なぜかと言えば、利上げ幅が0.25パーセントですからね。見えないような小幅です。ただ、これを数カ月ごとに上げていって、1年か1年半ぐらいで2パーセントぐらいにしたいとなると、世界の様子は相当変わります。


●イエレン総裁の利上げに見えた「気遣い」


 これがどういう影響を持つのか。一番影響を受けるのは国力が弱い国、えてしてドルペッグ制を採用している国です。こうした国は、おそらく金利を上げなければならなくなりますね。それから対米債務国はドルで払うわけですから、金利が上がると大変です。かつて南米やアジアがそうでした。現在では、南米とアジアは中身が相当良くなっており、反対に危ないのは東欧ではないかと言われています。いろいろあります。

 日本はどうでしょうか。日本は、対外資産をすごく多く持っていますから安定安心の通貨なのですね。だから、激変が起きると円買いになり、円が上がります。ただ「えっ、それっぽっちしか上げないの?」という状態だと、円が下がるだろうと言われています。今回日本は比較的、安全圏にいます。

 ただイエレンさんはものす...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(3)飛び道具トラップと「文脈剥離」
IT業界で次々に発動される飛び道具トラップのメカニズム
楠木建
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏