激動する世界情勢と日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
シェール革命と新興国の低迷が招いた「逆オイルショック」
第2話へ進む
成長につながらないアベノミクスはもはや限界?
激動する世界情勢と日本(1)世界経済に翻弄される日本
政治と経済
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
千葉商科大学学長・島田晴雄氏による年頭所感を送る。2016年のテーマは「激動の世界経済と日本」だ。年明け早々の株価下落や中国市場の低迷など、日本経済は世界情勢に翻弄され、揺れている。日本経済の課題と展望を、中国、アメリカ、EU、中東、そしてアベノミクス評価を交えて、縦横無尽に語っていく。(2016年1月26日開催島田塾第131回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 激動の世界経済と日本」より、全10話中第1話)
時間:14分33秒
収録日:2016年1月26日
追加日:2016年4月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●2016年は波乱の幕開けだった


 今まで私は、年頭所感では定点観測で経済について話していました(7月の講演は自由論題でやるということでしたが)。これからも定点観測はしますが、今年からモデルを変えます。今まで日本経済に視野を絞って、アベノミクスだ何だと議論をしていましたが、もはやそういうことを言っている時代ではありません。そういうことを言っている時代ではなく、日本は最も国際社会の中で依存性の高い国の一つなので、やはりこの際、常に世界を見ていこうというスタンスでいきたいと思います。来年もずっと「世界の中の日本」ということでいきたいと思います。

 今年はその最初のモデルで、歴史にも若干触れながら、2時間で皆さんの掌中に地球が全て入ってしまうような、そんなつもりで精一杯努力をしたいと思います。

 テーマは、「激動の世界経済」と日本です。今年は冒頭から波乱の幕開けでした。株価は年初から6日続落して少し上がり、また落ちて、となりました。もう2万円以上になるのではないか、去年はそういった期待がありましたが、現在は1万6000~7000円のところでウロウロしている状況です。これ日本だけではありません。世界中で、かなりの国がそうなっています。

 この背景には、中国の不調と中東の不安があります。サウジアラビアとイランが対立し始めたなど、いろいろなことがありますね。それから、1月6日に金正恩という男が、水爆実験をやったと愚かなことを言って、またこれで株価が下がる。今年はとても波乱の幕開けでした。

 先ほど申し上げたように、日本は最も世界の変動の影響を受ける国ですので、まずこの世界情勢の変化の中から日本経済の動向を展望して、課題を整理して考えてみたいと思います。


●アベノミクスはデフレ脱却を目指した


 レジュメで言うと、「激動の世界に翻弄されるアベノミクス」です。アベノミクスの中心は三本の矢ですね。その中で、これまでのところ成果が上がっているのは、第一の金融の矢です。ですが同時に、アベノミクスの中でここに最も負担がかかっていると思います。「クロダノミクス」などと言われています。

 皆さんも覚えていると思いますが、2013年の秋に菅義偉官房長官が島田塾に来られたことがあります。その時に菅さんが言ったのは、安倍政権をつくる時の最大の眼目は、「なぜ20年間デフレを放...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
アンチ・グローバリズムの行方を読む(1)世界情勢の転換
強まるアンチ・グローバリズムの動きをどう見ればいいか
岡本行夫
自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
「マスコミ報道」では見えない自民党総裁選の深い意味
曽根泰教
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
「新しい資本主義」の本質と課題(1)新自由主義と『21世紀の資本』
新自由主義からの時代背景から「新しい資本主義」を問う
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
「アカデメイア」から考える学びの意義(2)プラトンの学園アカデメイア
プラトン「アカデメイア」の本質は自由な議論と哲学的探究
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子