激動する世界情勢と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
中国が欲しいのは不沈空母と新たなシルクロードだ!
激動する世界情勢と日本(4)習近平政権の世界戦略
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
中国の習近平政権は、アメリカに代わって世界の覇権を握ろうとしている。その「中国の夢」実現のため、南シナ海での軍事展開や21世紀のシルクロード計画、AIIB設立など、覇権獲得の目論見は確実に進行しつつある。千葉商科大学学長・島田晴雄氏が、現代中国を駆り立てている世界戦略を解説する。(2016年1月26日開催島田塾第131回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 激動の世界経済と日本」より、全10話中第4話)
時間:11分46秒
収録日:2016年1月26日
追加日:2016年5月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国はアメリカに「太平洋の2国管理」実現を求めた


 ところが、成熟段階に入ったことが明らかな中国経済を背景に、習近平主席にはどうも世界戦略があるようなのです。習近平さんは2013年の春に国家主席になりましたが、その年の6月に、カリフォルニアに行ってバラク・オバマさんを訪ねた。パーム・スプリングスという、ゴルフ場のメッカのようなところです。そこで2日間、会談をしました。お互いにカウボーイハットをかぶったり、草に寝転がったりなどいろいろして、ネットで8時間も語ったそうです。その時に習近平さんは、一生懸命「新型大国関係を認めてくれ」と言ったそうです。それから、「広い太平洋は、2国で管理できるではないか」とも言いました。

 これはどういう意味か。確かに太平洋は広い。ハワイ辺りに南北に線を引いて、そこから西は中国が管理する。東はアメリカがやりなさい、ということです。「そこから西」と言った場合、日本が入っているなどそんなことは眼中にありません。「日本は中国の属国だ」というお考えなのでしょう。これは中国が覇権を非常に強く追求しだしたことだと、アメリカ側も十分に察知しているわけです。

 1990年代、鄧小平さんは、天安門事件で戦車隊が出て若者を轢き殺してしまったようなことを容認していたわけですね。鄧小平さんは直接の責任者ではなかったのですが、彼が一応最高トップですから、世界中から大変な非難を浴びて、もう本当に頭を低くして今はもう我慢我慢で、内に実力を貯めようということを主張したのです。これが、彼の安全保障外交戦略の基本になります。これを「韜光養晦(とうこうようかい)」と言います。才能を隠して内に力を蓄える。中国はこれでずっとやってきたのです。

 ところが、習近平さんになったら、何かが変わり出しました。習近平さんは、大演説の前に必ず「ヂョン グゥオ モン」と言うのです。日本語で「中国の夢」となります。いわゆる「アメリカンドリーム」のように、「きれいな奥さんで素敵な家に住めばいい」といった、そんな軽い話ではありません。もっと深いのです。「170年の汚辱を晴らし、いよいよ本当の中国になる」と言っているのです。


●中国の世界戦略に対するアメリカの警戒


 オバマ大統領は、さすがにこれには警戒しています。この「新型大国関係」を翻訳するにしても、絶対に「大国関係」とは言...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博