激動する世界情勢と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
難民流入とギリシャ・イギリスの離脱志向に対処できるか
激動する世界情勢と日本(6)きしみ始めた欧州連合
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
EUは元来、歴史的に反目し合ってきたドイツとフランスが再び争わないために設立された壮大な試みだ。しかしそのEUが今、大きくきしみ始めていると、千葉商科大学学長・島田晴雄氏は指摘する。その背景には、ギリシャやイギリスの離脱志向や中東からの難民流入がある。EUが抱える現代的な課題を、島田氏が整理する。(2016年1月26日開催島田塾第131回勉強会島田晴雄会長講演「年頭所感 激動の世界経済と日本」より、全10話中第6話)
時間:12分52秒
収録日:2016年1月26日
追加日:2016年5月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●ギリシャの財政問題に振り回されるEU


 アメリカにチャレンジしようとしたのが、欧州です。欧州がユーロ圏になると、GDPは互角ですが、人口ではアメリカを上回ります。

 今、ギリシャ問題で皆さんの関心が非常に深かったと思います。ギリシャは、実はすごく特別扱いされており、EUにも最初のグループに近いところで入っているのですが、EU加盟国の資格を満たしていないのですね。マーストリヒト条約というものがあって、非常に厳格な財政規律の条件を課しているのですが、ギリシャはただの一度もそれを満たしたことがありません。2010年の政権交代で、新しい政権が前政権の財政赤字の粉飾決算を発表してしまったのです。

 これは、「うそをついていた」ことになるので、ギリシャの国債は暴落しました。ギリシャの国債は、世界各国が多く持っていたので、世界中の金融のシステミック危機に発展する恐れがあるということで、ドイツとフランスが共同し、EU構成国の政府、ECB(ヨーロッパ中央銀行)、IMF(国際通貨基金)などと協議をしてなんとか救おうとしました。そうしないと金融が危ない、というわけです。

 ただEUには、「非救済条項」というものがあって、規律を満たさないような国は救ってはいけないという文言が入っているのですね。それでも、法解釈の枠内で何とかできないかということで、2010年には第一次支援で1100億ユーロ、2012年には第二次支援で1300億ユーロを出しました。その他に民間投資家も協力しています。


●改革を拒むギリシャ国民、そこに近づくロシア


 これを受けて、ギリシャ発の金融危機は回避されたかと思ったのです。ところが今度、一昨年の暮れから、ギリシャは借りた金を返せないと言い出したのです。さすがにそれには各国政府、ECB、IMFも困りました。きちんと返すため財政緊縮と構造改革を行うようにと要請をしたのです。ところが、ギリシャという国は、雇用者の4割が公務員で、年金や公的手当が、とても赤字国とは思えないほど贅沢なのですね。

 そこで、構造改革と緊縮財政をするかどうかを問う総選挙が、一昨年の暮れに行われました。そうしたら、これらの改革に反対する「シリザ(Syriza)」という急進左派連合、ノータイで白いシャツで出てくるアレクシス・チプラスという人が党首の政党が政権に就きました。これが...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆