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ジェネリック医薬品のメリット・デメリット
医療費削減の目玉として注目されているジェネリック(後発)医薬品ですが、普及率は欧米に比べて進んでいません。ジェネリックへの印象は? メリットとデメリットは? あらためてジェネリック医薬品の基本と動向について調べてみました。
健保連は、ご承知の通り大企業が所属する健保組合。今回分析されたのは健保組合がアーカイブしている2016~2018年分のレセプトデータ約27000件。生活習慣病治療薬のみを対象としても、降圧薬で1,794億円、脂質異常症治療薬765億円、血糖降下薬582億円と、年間合計約3,100億円の削減が可能になると見込んでいます。
まさに「ジェネリックこそ医療費削減の<特効薬>」と言いたそうなのですが、日本での普及率は2016年で59.0%、アメリカ91.7%、ドイツ86.3%、イギリス76.6%といった「ジェネリック先進国」には、まだまだ及びません。
もともとジェネリックという言葉自体に「パッとしない、ありふれた、印象に残らない」というニュアンスがあると指摘するのは、アメリカで『ジェネリック それは新薬と同じなのか』(みすず書房)という本を書いたジェレミー・A.グリーン氏。ジェネリックは臨床、消費、政治、法律をめぐる攻防の末に生まれた「社会的な薬」だとも言っていますが、輸入薬の場合、さらに国際関係も加味されてくるわけです。
彼が挙げるジェネリック医薬品の特徴の一つに、「安いが、危険なほど安いわけではない」ことがあります。半世紀前までの「まがい品・粗悪品」のイメージを払拭するためもあり、いわゆるブランドメーカーが自社製品のジェネリック化に手を出しているからです。これらはジェネリック専業の会社の薬よりは割高、処方薬(オリジナル)よりは割安というラインを守っています。
よく処方される薬としては、関節リウマチの痛みを和らげる「アザルフィジン」があります。処方箋医薬品であるアザルフィジンEN錠250mg(あゆみ製薬)の薬価は30.3円/錠、ジェネリック医薬品の「テバ」(武田テバファーマ)は17.1円/錠。ただし、これは薬価ですから、3割負担の患者が払う薬代は、1日1錠4週間の処方がされた場合、約140円の節約になります。
厚生労働省は2008年以来、ジェネリック医薬品の使用促進の目標値として「普及率80%」(数量ベース)を掲げてきました。ようやく目標を達成したのは、コロナ禍の2020(令和2)年11月です。
県別にみると沖縄(88.7%)、岩手(85.4%)、鹿児島(85.2%)をトップ3に、26道県が80%以上となりました。もっとも低いのは徳島(72.9%)、奈良(74.5%)、高知(75.4%)で、東京・愛知・大阪・京都などの大都市で普及率が低いのが目に付きます。
2018(平成30)年度、東京都薬務課が都内全病院(650施設)の医師を対象に行った調査では、都内でジェネリック医薬品の使用が進展しない理由について、「患者(高級志向、価格より品質重視等)」とする回答が89件と最も多く、「不信感(医師・患者が不信感を抱いている)」は29件、「品質(効果の違い、副作用等)」は26件にとどまりました(回答件数316件中)。
患者の希望が優先されるとはいっても、処方箋を書くのは医師、それに沿って調薬するのは薬局なので、ジェネリック普及の成否は医師と薬剤師にかかっています。患者がいくらジェネリックを希望しても、「開発されていない」「在庫がない」など、希望通りにいかない場合もまだまだあります。その点がジェネリックのデメリットと言えるでしょう。今服用している薬がジェネリックに置き換え可能かどうか、どの程度負担が軽減できるのか、ネット上でかんたんに検索できるしくみなど、試してみるとスムーズです。
ジェネリックへの印象、いまいちパッとしない?
2000年頃から名前を聞くことが多くなった「ジェネリック」。2019年には、高血圧など生活習慣病の治療にジェネリック医薬品を優先することで、年間薬剤費が3,100億円削減できるという試算を、健康保険組合連合会(健保連)が公表、厚生労働省に提言しています。健保連は、ご承知の通り大企業が所属する健保組合。今回分析されたのは健保組合がアーカイブしている2016~2018年分のレセプトデータ約27000件。生活習慣病治療薬のみを対象としても、降圧薬で1,794億円、脂質異常症治療薬765億円、血糖降下薬582億円と、年間合計約3,100億円の削減が可能になると見込んでいます。
まさに「ジェネリックこそ医療費削減の<特効薬>」と言いたそうなのですが、日本での普及率は2016年で59.0%、アメリカ91.7%、ドイツ86.3%、イギリス76.6%といった「ジェネリック先進国」には、まだまだ及びません。
もともとジェネリックという言葉自体に「パッとしない、ありふれた、印象に残らない」というニュアンスがあると指摘するのは、アメリカで『ジェネリック それは新薬と同じなのか』(みすず書房)という本を書いたジェレミー・A.グリーン氏。ジェネリックは臨床、消費、政治、法律をめぐる攻防の末に生まれた「社会的な薬」だとも言っていますが、輸入薬の場合、さらに国際関係も加味されてくるわけです。
彼が挙げるジェネリック医薬品の特徴の一つに、「安いが、危険なほど安いわけではない」ことがあります。半世紀前までの「まがい品・粗悪品」のイメージを払拭するためもあり、いわゆるブランドメーカーが自社製品のジェネリック化に手を出しているからです。これらはジェネリック専業の会社の薬よりは割高、処方薬(オリジナル)よりは割安というラインを守っています。
よく処方される薬としては、関節リウマチの痛みを和らげる「アザルフィジン」があります。処方箋医薬品であるアザルフィジンEN錠250mg(あゆみ製薬)の薬価は30.3円/錠、ジェネリック医薬品の「テバ」(武田テバファーマ)は17.1円/錠。ただし、これは薬価ですから、3割負担の患者が払う薬代は、1日1錠4週間の処方がされた場合、約140円の節約になります。
ジェネリック普及のキーは患者?医師?それとも薬局?
ジェネリック医薬品のメリットは、先発処方薬の特許満了後に発売されるため、低価格で販売されること。有効成分が同じであるため、効能は先発薬と同じとされますが、薬の形や添加剤などが異なっていて、全く同じではありません。医師のなかには、その点でジェネリックを処方するのに慎重な方も多いようです。厚生労働省は2008年以来、ジェネリック医薬品の使用促進の目標値として「普及率80%」(数量ベース)を掲げてきました。ようやく目標を達成したのは、コロナ禍の2020(令和2)年11月です。
県別にみると沖縄(88.7%)、岩手(85.4%)、鹿児島(85.2%)をトップ3に、26道県が80%以上となりました。もっとも低いのは徳島(72.9%)、奈良(74.5%)、高知(75.4%)で、東京・愛知・大阪・京都などの大都市で普及率が低いのが目に付きます。
2018(平成30)年度、東京都薬務課が都内全病院(650施設)の医師を対象に行った調査では、都内でジェネリック医薬品の使用が進展しない理由について、「患者(高級志向、価格より品質重視等)」とする回答が89件と最も多く、「不信感(医師・患者が不信感を抱いている)」は29件、「品質(効果の違い、副作用等)」は26件にとどまりました(回答件数316件中)。
患者の希望が優先されるとはいっても、処方箋を書くのは医師、それに沿って調薬するのは薬局なので、ジェネリック普及の成否は医師と薬剤師にかかっています。患者がいくらジェネリックを希望しても、「開発されていない」「在庫がない」など、希望通りにいかない場合もまだまだあります。その点がジェネリックのデメリットと言えるでしょう。今服用している薬がジェネリックに置き換え可能かどうか、どの程度負担が軽減できるのか、ネット上でかんたんに検索できるしくみなど、試してみるとスムーズです。
<参考サイト・参考書籍>
ジェネリック医薬品について│日本ジェネリック製薬協会
https://www.jga.gr.jp/general/about.html
「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究」│健康保険組合連合会 https://www.kenporen.com/include/press/2019/201908231.pdf
令和2年11月医薬品使用状況│協会けんぽ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/file/c2021031801.pdf
『ジェネリック それは新薬と同じなのか』(ジェレミー・A.グリーン、みすず書房)
ジェネリック医薬品について│日本ジェネリック製薬協会
https://www.jga.gr.jp/general/about.html
「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究」│健康保険組合連合会 https://www.kenporen.com/include/press/2019/201908231.pdf
令和2年11月医薬品使用状況│協会けんぽ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/file/c2021031801.pdf
『ジェネリック それは新薬と同じなのか』(ジェレミー・A.グリーン、みすず書房)
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