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DATE/ 2022.02.21

新しい職場に溶け込むために気を付けること

 転職して新しい職場になじむまでは様々な不安があると思います。特に入社前や初出勤日は不安や緊張のピーク。うまく人間関係を築けるか、仕事についていけるのか等、職場になじめるかどうかは誰もが転職時に抱える不安です。また今は、テレワークやリモートの割合も増え、入社はしたものの同僚達との接点を見出せず、なかなか職場に溶け込めないというケースもあるのではないでしょうか。

 最初につまずかず、できるだけ早く新しい職場に溶け込むためには、どんなポイントに注意したらいいのか確認しておきましょう。

新しい職場に早くなじむために実践したいこと

 実際に転職経験のある男女15人に、新しい職場に溶け込むために有効だったことをリサーチしたところ、以下のようなポイントが挙げられました。

【笑顔で挨拶し明るい印象をアップする】

 自分から笑顔を意識して挨拶をすることでフレンドリーな印象を与えることができます。肩に力の入ったまま緊張気味で真面目に挨拶するよりも、とにかく第一印象は明るく。「ミラー効果で、こちらが笑顔でいけば相手も笑顔で受け容れてくれる」と、初対面のにこやかさは人間関係の第一歩とおっしゃる方も。

【とにかく早く仕事を覚える努力をする】

 「分からない」や「仕事についていけない」と焦らず、まずは仕事を覚えることに全力を注ぎ、同僚から信頼されることも職場になじむ上で必要なこと。「仕事をある程度覚えたら精神的余裕も出て周りからも認めてもらいやすかった」と、雰囲気になじむより「まずは仕事ありき」でスタートする姿勢も大切です。

【ランチや飲み会等の交流に積極的に参加する】

 今は会食の機会を持つのは難しいですが、社内の人間関係を知ったり自分を知ってもらうためにもコミュニケーション頻度は上げたいもの。「転職早々コロナでリモートになったがzoom飲み会に参加していたため、実際に会ったら”やっと会えた”という感じで話も弾み仕事もしやすかった」との声もあり、どんな形であれコミュニケーションの機会を増やすことで職場に溶け込みやすくなります。

【話しやすい、質問しやすい人を見つける】

 なんでもかんでも直属の上司に頼るのではなく、「感じのいい年下社員」「親切なおばちゃん社員」「同世代の話が合いそうな同僚」など、自分が話しかけやすい、質問しやすい相手を見つけましょう。そこから自分の職務に詳しい人や事情通な人を紹介してもらうなど、社内で顔を広げていくことができます。

【話しかけられやすいフックを作る】

 まずは様子伺い、と控え目過ぎても職場になじめません。特技やスキル、趣味や好きな物など、自分の些細な情報を見せることがフックになり話しかけられやすい人になれることも。「猫を3匹飼っていると話したことで猫好き仲間ができたり、新しいペット向け商品にアドバイスを求められたりと職場になじむきっかけになった」という女性も。

コミュニケーション不足で「溶け込めない」は仕事に響く?

 一方「なじむまでに時間が掛かった」「今も職場に溶け込めず」と自省する方々にもその失敗ポイントについてお聞きしたところ、以下のような声が挙りました。

・人見知りで、ひとり行動ばかりしてしまった
・何度も分からないことを質問するのをためらってしまった
・前職と比較し、その話ばかりしてしまった
・大人しくし過ぎて、存在感を示せなかった
・プレッシャーを感じて体調を崩してばかりだった

 上記のように、転職当初は、早く結果を出さねば、経験値をアピールしなくては、バカにされないようにしなければ、と焦ったり自分を大きく見せたりしたくなる人もいると思いますが、それにより嫌われて孤立するケースも少なくないようです。逆に、職場から浮かないようにと遠慮がちだったり、うざいと思われたくないと目立たないようにしていたり、自分から積極的にコミュニケーションを図れない人も、新しい職場に溶け込むには時間が掛かってしまっています。

 いくら「仕事は仕事」と割り切ったつもりでいても仕事はひとりではできません。職場でのコミュニケーションの状況によって仕事の進捗もメンタルも左右されがちですし、新しい環境にいかに早くスムースに溶け込めるかは仕事のクオリティにも響きます。

 前職での経験値があろうとなかろうと、転職したら新しく出会う誰かから教わり、学び、引き継ぎ、またイチから人との関わりの中で仕事を覚えていくことになります。そう考えるとやはり、お互い気持ちの良いコミュニケーションによって信頼関係を築き、職場に溶け込むことが、仕事を早く覚える近道にもなるのではないでしょうか。
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授