社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
昭和の車には「しっぽ」がついていた?
かつて、クルマのリアバンパーの下につり革を取り付けて走行、令和視点からするとかなりシュールな光景です。
昭和時代にはそんなつり革だけでなく、尻尾のようなゴムベルトが取り付けられていました。
令和の時代にあっても、「旧車っぽくてカッコいい」というようにそのエモさからか、昭和の時代に流行したカスタムとして装着走行しているケースも少なくないようです。
中高年齢層といった年代を感じさせる話題ではありますが、今回は、なぜクルマにつり革など、ゴムベルトが取り付けられていたのか、その目的や理由についてせまってみましょう。
理由は簡単で、クルマの帯電を路面に放電させるためのアースベルトのバリエーションとしてでした。
アースベルトは、黒いベルトのようなパーツで、クルマの車体に帯電した静電気を地面に放電させるために装着されていました。
そのアースベルトとしてつり革状のタイプが増えた理由には諸説あるようで、かつての暴走族など、クルマの窓枠から上半身を乗り出して走行する、いわゆる「箱乗り」が発祥ではないかと考えられています。箱乗りの際、振り落とされないようにつり革を装着したのが始まりで、そこから遊び心でバンパーに装着されたのではないかという説です。
アマチュア無線愛好家によると車体周辺の電波状況が改善されクリアな通信が確保されたとのこと、カーオーディオ愛好家はオーディオノイズやラジオの電波ノイズが減少したとのことで、アースベルトはそれなりの評価を得ていました。
しかし、1985年ごろから、アースベルトは静電気対策用品としての陰りを見せ始めます。その理由は、技術革新による別の静電気対策装置に移行したことによります。
最新の自動車には、さらに事情が変わって、特別な静電気対策装置を設置することなく、タイヤがその機能を果たすようになっています。タイヤの素材であるブラックカーボンは電導率が高く、走っているだけで車体に帯電した静電気が放電されていくとのことです。
つまり、カーアクセサリーとしては、まだその価値は認められ、昭和からの運転歴のある方々にはいまだに静電気対策グッズとして有用であると信じられていたり、令和の若者にとっては、昭和のエモさを体現するアクセサリーとして現役なのです。
昭和時代にはそんなつり革だけでなく、尻尾のようなゴムベルトが取り付けられていました。
令和の時代にあっても、「旧車っぽくてカッコいい」というようにそのエモさからか、昭和の時代に流行したカスタムとして装着走行しているケースも少なくないようです。
中高年齢層といった年代を感じさせる話題ではありますが、今回は、なぜクルマにつり革など、ゴムベルトが取り付けられていたのか、その目的や理由についてせまってみましょう。
昭和の自動車、そのつり革事情とは?
車内であればわかりやすいですが、なぜ、つり革がリアバンパーの下あたりにつけられていたのでしょう。理由は簡単で、クルマの帯電を路面に放電させるためのアースベルトのバリエーションとしてでした。
アースベルトは、黒いベルトのようなパーツで、クルマの車体に帯電した静電気を地面に放電させるために装着されていました。
そのアースベルトとしてつり革状のタイプが増えた理由には諸説あるようで、かつての暴走族など、クルマの窓枠から上半身を乗り出して走行する、いわゆる「箱乗り」が発祥ではないかと考えられています。箱乗りの際、振り落とされないようにつり革を装着したのが始まりで、そこから遊び心でバンパーに装着されたのではないかという説です。
アースベルトが無くなった理由は?
アースベルトを装着するユーザーは、クルマの静電気が影響するアマチュア無線・カーオーディオを楽しむ方々、ドアに触れたときの静電気に悩まされている方など、それぞれに理由がありました。アマチュア無線愛好家によると車体周辺の電波状況が改善されクリアな通信が確保されたとのこと、カーオーディオ愛好家はオーディオノイズやラジオの電波ノイズが減少したとのことで、アースベルトはそれなりの評価を得ていました。
しかし、1985年ごろから、アースベルトは静電気対策用品としての陰りを見せ始めます。その理由は、技術革新による別の静電気対策装置に移行したことによります。
最新の自動車には、さらに事情が変わって、特別な静電気対策装置を設置することなく、タイヤがその機能を果たすようになっています。タイヤの素材であるブラックカーボンは電導率が高く、走っているだけで車体に帯電した静電気が放電されていくとのことです。
いまでも見かけるのは?
機能的な面からほぼ生産中止になったアースベルトですが、近年において限定販売されているようです。つまり、カーアクセサリーとしては、まだその価値は認められ、昭和からの運転歴のある方々にはいまだに静電気対策グッズとして有用であると信じられていたり、令和の若者にとっては、昭和のエモさを体現するアクセサリーとして現役なのです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
浮世絵を中心に日本画においてさまざまな絵画表現の礎を築いた葛飾北斎。『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」が特に有名だが、それを描いた70代に至るまでの変遷が実に興味深い。北斎とその娘・応為の作品そして彼らの生涯を深...
収録日:2025/10/29
追加日:2025/12/05
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果を現在の「病気の有無」だけに注目するのは、健康管理において不十分である。大事なことは、糖尿病、認知症、脳卒中、心筋梗塞など重篤な病気につながる共通点に着目していくこと。キーワードは「血管」である。...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/04/15
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02


