DATE/ 2026.10.19

着痩せも!生活に役立つ錯視マジック

なにもしなくても痩せる?

 つらい食事制限やハードな運動をしなくてもウエストが3cmサイズダウン、脚が7cm長くなる……なんて言われたら、「あやしい広告かな?」と疑ってしまいますよね。しかし脳のバグを利用することで、そのように“見せかける”ことは可能なのです。それが錯視、いわゆる「目の錯覚」と呼ばれる現象の効果。今回はこの錯視をファッションやダイエットに活用して、苦労せずにスタイルアップする方法をご紹介します。

 錯視によってウエストが3cm細く、脚が7cm長くなる……ように見えるというデータは、大阪大学大学院人間科学研究科の森川和則教授を中心とした研究グループの実験結果で明らかになっています。その実験内容と検証結果は以下のようなもの。

【実験方法】
産業技術総合研究所のデータベースに基づいた平均体型の日本人女性の画像に服を着せたものと複数の体型にグレーの全身タイツを着せたものをペアで実験参加者に見せて、どちらがよりスリムに見えるかなどを判断してもらう。

【結果】
黒い服は白い服と比べて、スリーサイズが各部1.8cm細く見える。タックイン(トップスをボトムスに入れる)するとさらに各部1.3cm細く見える。つまり、「黒・タックインあり」は「白・タックインなし」と比べて、各部3.1cm細く見える。さらに、タックインするだけで脚が7cm長く見える。

 この実験は、これまでファッションにかかわる人や広告などの情報を頼るしかなかった着やせ効果の実態を、世界で初めて科学的・客観的に実証しました。その結果、本当に苦しい思いをしなくても痩せて見えるとわかったのだからうれしいですよね。

日常で使える錯視活用法

 実は、このような錯視を使ったライフハックには、多くの人が取り入れていて名前もついているものがいろいろあります。「見せ方」の達人たちがファッションやダイエットに活用している錯視のテクニックを見てみましょう。

・アモーダル補完:人間の脳は見えている部分をベースにして、見えていない部分の情報を補完します。このためいわゆる「3つの首」、首・手首・足首という細くなっている部分を見せる服を着ると、脳は「全身が細い」と判断するという錯視。

・フィック錯視:同じ長さのものなら、横よりも縦の状態のほうが長く見えるという錯視。横に広がりにくいタイトスカートやロングカーディガンのような「Iライン」の服は細く見えやすいです。特に上半身にボリュームがある人はスッキリ見えますよ。

 このほかにも、たとえばVネックで小顔効果を狙えるエコー錯視や、オーバーサイズを着て相対的に華奢に見せるエビングハウス錯視などがあります。しかし、ストレート・ウェーブ・ナチュラルに分類される骨格タイプによっては似合いにくいことも……。たとえばデコルテが華奢なウェーブタイプの人は、Vネックを着ると胸元が寂しく貧相に見えやすくなります。ご自身の骨格タイプとも相談して、錯視を取り入れてみてください。

 そして、ダイエットに使える錯視がこちら。

・デルブーフ錯視:円の中に円を配置したとき、周囲の円の大きさによって中の円の大きさが違って見える錯視。小さい食器を使うほうが料理の盛り付けが多く見えて精神的な満足感が高まるので、実際に食べる量を自然に減らすことができるとされます。

 食器と食材の関係については、色の要素も影響力があるという調査報告があります。食器と料理の色が似ていると境界が曖昧になってたくさん盛り付けてしまうのです。料理を盛りすぎないためには、食器と料理の色のコントラストを強めるのがコツ。白米なら黒や紺の濃い色の食器、トマトソースなら白やベージュの淡い色の食器に盛り付けると、自然と量を減らせるというわけです。

 人間の脳は、意外なほどにフィルターをかけて世界を解釈しています。だからこそ、その認識のクセを理解すればファッションや食べすぎ防止にまで有益な対策が取れるのです。脳のバグを味方につけて、ぜひ日常で活用してください。

<参考サイト>
・Alinoma 【錯覚を使ってかわいく着痩せ】おしゃれぽっちゃりさんの着痩せコーデ術(トップス編)
https://hint.alinoma.jp/coord/2107_kiyasetops/
・大阪大学 世界初!ファッションによる体型錯視効果を定量測定
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20190905_1
・日本色彩研究所 <研究1部報>お皿でダイエット?
https://www.jcri.jp/square/journal/dish_diet
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