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タバコの値上げはどこまで? 1箱あたりの適性価格は…
タバコ主要銘柄値上げがコンビニエンスストアにも影響
2016年4月からタバコの主要銘柄が値上げしたのはご存じでしょうか。健康被害の深刻度とともにタバコをめぐる経済は大きく変化しています。日本たばこ協会が2016年5月20日に発表したデータによると、4月の紙巻きたばこの販売実績は137億本で、前年同月比ではマイナス10.1パーセント。販売代金は前年同月比マイナス8.7パーセントの2979億円でした。これは、値上げによる駆け込み需要からの反動があるとものの、前年比でかなり大きなマイナス傾向になっています。
厳しい状況は供給者と愛煙家ばかりではなく、売上げ比率が2割強となっているコンビニエンスストアにも影響しています。たばこ販売実績の減衰は、来店時の「ついで買い」による相乗効果も薄れることから、タバコに替わる商材の開発が急がれているようです。
喫煙者でも3人に1人は値上げすべき
経済にも少なからず影響しているタバコ問題ではありますが、健康リスクから社会的な意識変革も大きく進んでいます。習慣性や依存性から何とか抜け出したいと願いからか、喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えているデータが公表されています。医師・医療従事者向け情報サイトを運営するケアネットによる意識調査によると、1箱あたりの適性価格は「1,000~1,400円程度」が33.6パーセントを占める結果となりました。「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」というコメントも寄せられているそうです。今回の値上げを例にとると、高級銘柄である「メビウス・ファミリー」が430円 から440円なので、このギャップは興味深いところです。
ちなみに厚生労働省の調査によると、全国成人喫煙率(2013年)は、男性32.2パーセント、女性8.2パーセント。年代によっては増加傾向も見られてはいますが、基本的にはゆるやかな減少傾向で推移しているようです。ここに、2012年6月に策定された「がん対策推進基本計画」の「2022年度までに成人喫煙率を12パーセント」という目標を追記しておきましょう。
今後、タバコ産業経済の減衰と並行して、喫煙・煙害による保健医療の負担増のインパクトも少なからずあることから、われわれ国民としてはタバコをめぐる政策動向に注目したいところです。
<参考サイト>
・成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html
・一般社団法人日本たばこ協会
http://www.tioj.or.jp/data/index.html
・成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html
・一般社団法人日本たばこ協会
http://www.tioj.or.jp/data/index.html
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