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DATE/ 2016.07.29

本場のIKEAは日本のイケアとどう違うのか?

 北欧最大の国、スウェーデンを代表する家具メーカーIKEA。果たして本場のIKEAはどうなのか?日本のイケアとどう違うのか?スタッフの一人が、約8000キロ離れたスウェーデンの首都ストックホルムに行ってきました。時差は8時間、飛行時間はデンマーク・コペンハーゲンを経由しておよそ12時間。まさに半日がかりでの突撃取材です。

 訪れたのは2016年6月下旬で、北欧では白夜と呼ばれる時期。21~22時でも昼間のような明るさで、街には夜遅くまで人が溢れていました。

IKEAでランチ体験ー伝統料理のミートボールを堪能


 さて、本題のIKEAですが、ストックホルム市郊外にあるため、ストックホルム中央駅近くから約30分ごとに出ている無料の送迎バスに乗り込み、現地へ向かいました。バスに乗り込んだのは平日の昼12時でしたが、乗客は20人ほどで親子連れが多めといった印象です。およそ20分後、着いたのは大型スーパーのICAなどが隣接するショッピングモール。この中にIKEAが入っています。

 実は、お昼にIKEAに向かったのには訳があります。IKEAでランチを食べるためです。その特徴はスウェーデン伝統料理であるミートボールが食べられるところ。本場の味はどうなのか、日本との味比べをして見たかったのです。


 ということで、写真が注目のミートボール。やはり伝統は生きていました。味は日本と変わらず、しかも値段は、日本より物価の高いスウェーデンではかなりお安い29スウェーデンクローナ(日本円で約350円、2016年6月時点の為替レート、1スウェーデンクローナ=約12.5円)。これにガーリックトーストをつけ、デザートのチョコムースとドリンクバーを合わせて60スウェーデンクローナ(約750円)。とても経済的です。

IKEAグッズを調査ーIKEAはやっぱりイケアだった!


食事を終えたら、今度はIKEAグッズを調査です。気になったのは、どこでつくられているか(メイドイン○○)ということ。日本の店舗で見たときはメイドインチャイナが多かった印象がありましたが、もしここに北欧でつくられているものがいろいろとあるなら、掘り出し物が見つかるかも。‥そこはやっぱりイケアでした。ランチのときと同様で、そして、値段もやはりお手頃でした(為替レートによって多少変わりますが)。つまり、どこでも同じものが買える、ということです。

 そうして、レジまで続く長い、くねくねと曲がりくねった迷路のような通路を左右の商品に目をやりながら進みます。このあたりも、日本と変わらず、IKEAの特徴のひとつ。ランチを含めお昼からの数時間たっぷり楽しんで、いや調査して、再び無料の送迎バスに乗り、調査終了。ちなみに、無料バスは平日のみとのこと。休日はかなり混雑することが予想されるからでしょうか。


DIYという文化と幸福度ランキング上位の北欧ならではの魅力

 ところで、イケアは今でこそ日本でも人気の家具メーカーですが、実は1970~80年代にも一度日本で店舗をオープンさせているのです。初めて日本に店舗ができたのは1974年で、第1号店は千葉の船橋でした。しかし、当時は、家具を組み立てるDIYという文化が日本ではまだ受け入れられなかったのでしょう。バブル真っ只中であったことも関係あるかもしれませんが、1986年に一度撤退しています。

 しかし、その後、バブルがはじけたこともあり、DIYが家具のカテゴリーとして日本でも次第に受け入れられていき、2006年に再び千葉の船橋に出店。その後、日本での店舗数を増やしていき、現在日本での店舗数は9(2016年6月現在)。北は東北・仙台から南は九州熊本に店舗を構えています。


 イケアの魅力はDIYや手頃な価格だけでなく、ショッピングを楽しみながら食事ができ、子どもの遊具施設も充実しているなど、家族で訪れるには最適な場所であるという点にあるといえます。そうしたお店が生まれたのも、毎年幸福度ランキング上位を独占する北欧の国・スウェーデンだからなのかもしれませんね。

 イケア未体験の方、一度イケアワールドを体験してみてはいかが。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授