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大手、中小企業、公務員…退職金はどれだけ違う?
会社を辞めるのは大きな決断ですが、その判断基準の一つに退職金があります。
勤続何年からが対象になるのか、自己都合とその他の理由では違うのか、アルバイトやパートでももらえるのか。退職金についての決まりは、職場の「就業規則」に詳しく記載されているはずです(ちなみに常時10人以上の労働者がいる会社では、就業規則を官庁に届け出、誰でも見ることができ、いつでも読むことができる場所に設置しておかなければならないとされています)。
ここでは、東京都の中小企業実績をモデルケースとして、上場企業や国家公務員と比較してみました。
・高卒:1219.1万円
・高専・短大卒:1234.5万円
・大卒:1383.9万円
この数字は、卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した人が定年退職した場合の退職金水準とされています。入社10年で自己都合退職すると、どうなるのでしょうか。
・高卒:89.5万円
・高専・短大卒:100.2万円
・大卒:124.2万円
10年で会社を辞めても、月収4カ月分ぐらいの手当は支給されるようなので、退職・転職を考えている人には一安心でしょうか。
・高卒:2100.0万円(総合職)1836.6万円(生産・現業)
・大卒:2312.7万円(総合職のみ)
大手と中小企業では、定年退職時の手当に1000万円もの差があるのですね。こちらは会社都合の退職者のみを対象としていますが、入社10年程度で退職した場合は、どうでしょうか。
・高卒:185万円(総合職)202.6万円(生産・現業)
・大卒:307.9万円
入社10年の時点でも、中小企業の平均と比べると、高卒でほぼ倍、大卒で2.5倍の差がつく驚きの結果。なお、高卒の場合、総合職か生産・現業労働歌でも違いがあります。生産・現業労働者が総合職よりたくさんの退職金をもらって辞めることができるのは、入社後3年~20年(21歳~38歳)で、それを過ぎると逆転するという結果が出ています。
<勤続30年~34年>
・定年:2095.3万円
・応募認定退職:3076.3万円
・自己都合:1716.1万円
<勤続35年~39年>
・定年:2407.6万円
・応募認定退職:2936.5万円
・自己都合:1949.8万円
気になる「応募認定退職」は、平成25年11月から始まっている、いわゆる「早期退職」のこと。勤続20年以上で、定年前6月を超え15年以内の退職者に対し、定年前1年につき3パーセント(定年前1年以内の者は2パーセント)の割増しが付くという制度。最大限に活用すると、最大45パーセントもお得とは、携帯料金を連想させますね。そのピークは、定年4年前の56歳付近にあるようです(次官・長官級は割増不適用、局長級は割増率1パーセント、審議官級は割増率2パーセント)。
蛇足ですが、朝日新聞社の記事によると、およそ2年4カ月のあいだ都知事を務めた舛添氏には、退職金約2200万円、6月末には今年度分の給与に期末手当(ボーナス)を加えた約850万円が支給され、知事就任以降の給与総額は、合計約6800万円になるとのことです。
勤続何年からが対象になるのか、自己都合とその他の理由では違うのか、アルバイトやパートでももらえるのか。退職金についての決まりは、職場の「就業規則」に詳しく記載されているはずです(ちなみに常時10人以上の労働者がいる会社では、就業規則を官庁に届け出、誰でも見ることができ、いつでも読むことができる場所に設置しておかなければならないとされています)。
ここでは、東京都の中小企業実績をモデルケースとして、上場企業や国家公務員と比較してみました。
東京都内中小企業の定年退職金は、大卒で平均1383万円
東京都産業労働局では、従業員10人~300人未満の都内中小企業を対象に、毎年度の年間給与支払額を始め、賞与や諸手当、退職金制度、ワークライフバランスなどについて調査をおこなっています。平成27年度は23.7パーセントにあたる830社から有効回答が寄せられ、以下の結果となりました(調査は2014年7月31日現在の数字)。・高卒:1219.1万円
・高専・短大卒:1234.5万円
・大卒:1383.9万円
この数字は、卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した人が定年退職した場合の退職金水準とされています。入社10年で自己都合退職すると、どうなるのでしょうか。
・高卒:89.5万円
・高専・短大卒:100.2万円
・大卒:124.2万円
10年で会社を辞めても、月収4カ月分ぐらいの手当は支給されるようなので、退職・転職を考えている人には一安心でしょうか。
大手企業の退職金は、中小企業とどれだけ差がある?
一方で、日本経団連も隔年で退職金水準を発表しています。こちらは経団連企業会員と東京経営者協会会員となっている企業1910社が対象。東証一部上場企業が中心だけに、従業員500人以上規模の会社が8割以上を占めています(調査は2014年9月。回答率は13.5パーセント、57歳まで集計分)。・高卒:2100.0万円(総合職)1836.6万円(生産・現業)
・大卒:2312.7万円(総合職のみ)
大手と中小企業では、定年退職時の手当に1000万円もの差があるのですね。こちらは会社都合の退職者のみを対象としていますが、入社10年程度で退職した場合は、どうでしょうか。
・高卒:185万円(総合職)202.6万円(生産・現業)
・大卒:307.9万円
入社10年の時点でも、中小企業の平均と比べると、高卒でほぼ倍、大卒で2.5倍の差がつく驚きの結果。なお、高卒の場合、総合職か生産・現業労働歌でも違いがあります。生産・現業労働者が総合職よりたくさんの退職金をもらって辞めることができるのは、入社後3年~20年(21歳~38歳)で、それを過ぎると逆転するという結果が出ています。
国家公務員は、56歳で応募認定退職するのがお得!
最後に国家公務員の場合です。以下は平成26年度中に退職した人についての実績。定年と自己都合のほか、「応募認定退職」という規定があるようです。こちらは学歴別の集計はしていないので、受給のピークとなるゾーンで見てみましょう。<勤続30年~34年>
・定年:2095.3万円
・応募認定退職:3076.3万円
・自己都合:1716.1万円
<勤続35年~39年>
・定年:2407.6万円
・応募認定退職:2936.5万円
・自己都合:1949.8万円
気になる「応募認定退職」は、平成25年11月から始まっている、いわゆる「早期退職」のこと。勤続20年以上で、定年前6月を超え15年以内の退職者に対し、定年前1年につき3パーセント(定年前1年以内の者は2パーセント)の割増しが付くという制度。最大限に活用すると、最大45パーセントもお得とは、携帯料金を連想させますね。そのピークは、定年4年前の56歳付近にあるようです(次官・長官級は割増不適用、局長級は割増率1パーセント、審議官級は割増率2パーセント)。
蛇足ですが、朝日新聞社の記事によると、およそ2年4カ月のあいだ都知事を務めた舛添氏には、退職金約2200万円、6月末には今年度分の給与に期末手当(ボーナス)を加えた約850万円が支給され、知事就任以降の給与総額は、合計約6800万円になるとのことです。
<参考サイト>
・東京都産業労働局
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/chingin/h26/
・日本経団連
www.keidanren.or.jp/policy/2015/042.pdf
・内閣官房人事局
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/sikyu_jokyo26.pdf
・東京都産業労働局
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/chingin/h26/
・日本経団連
www.keidanren.or.jp/policy/2015/042.pdf
・内閣官房人事局
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/sikyu_jokyo26.pdf
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