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DATE/ 2016.08.15

「良い上司」「悪い上司」を見分ける4つのポイント

 職場での人間関係は、サラリーマンが退職を決断する最大のポイント。特に直属の上司との関係は、仕事のやりがいを左右する重みがあります。

 今、自分が職場で一緒に働いている上司は「いい上司」なのか、「悪い上司」なのか?その見分け方を4つのポイントにまとめてみました。

1.イザというときに責任を取れるか

 トラブルやクレームがあったときは、上司の器量を測る最大のチャンスです。あなたの上司は、トラブルが起こったときに部下を矢面に立たせ、部下に謝らせたり処理をさせて、自分は報告を受けるのが仕事だと思っているでしょうか。それとも職場内のトラブルは全て自分の責任と考え、真っ先に最前線に立とうとするでしょうか。

 たとえ自分の専門分野ではなくても、トラブルのメカニズムを知ろうとして、現場の話をよく聞き、対策や予防策を考えようとしてくれるでしょうか。

 トラブルが起こったことの言い訳をしたり、「だから、言ったんだよ」と部下をなじってくる上司は、この先も決してよくなる見込みはありません。

2.チームや会社の良い面を見るか

 「うちの会社はアンテナ低いからさー」と居酒屋でオダを上げるおじさんが自分の上司だとしたら、誘いは3回に2回は断りたいですね。上司の身になれば、上の悪口を一緒にいうことで部下との距離を縮めているつもりかもしれませんが、仕事が思うように進まないのを組織のせいにする人は、局面が変わると部下のせいにもしてきます。

 会社、チームの区別なく、「こんなにいいところがある」「なかなか捨てたもんじゃない」と長所を引き出して、部下に夢を与えてくれる上司の真似をするようにしましょう。

 もしも直接ほめてくれない上司が、「○○さんのこと、すごいって言っていたよ」と出入りの業者さんなどの口から聞いたら、その上司はツンデレなスグれものなのかもしれません。

3.自分よりも仕事熱心、勉強熱心か

 同じ仕事を愛していて、お互い熱心に取り組んでいることがわかっていれば、人間的に多少相性の合わない組み合わせでも、そのデコボコは外から見ると愛嬌になります。

 残業が長い、会議が長いなどの上辺だけの長時間労働ではなく、その仕事が本当に好きな人は、惜しみなく仕事の本質やノウハウ、必要なスキルとその磨き方について教えてくれます。

 いつもご機嫌で仕事に取り組んでいて、何か教えてほしいときには大歓迎してくれる人なら大助かり。そうでなくても、部下の模範となるような仕事ぶりを見せてくれるだけでも、盗む機会はいくらでもあります。

 年齢や地位が上がっても勉強を忘れず、気がつくと本を読んでいて、部下からも最新の知識を学ぼうとする仕事好きな上司には、黙っていても人がついてきます。

4.ちゃんと仕事を任せてくれるか

 毎日の仕事が楽しいのは、自分や組織の潜在能力が引き出され、自分も会社も「発達」していると思えるとき。無理なくできる仕事ばかりでは、歯車になった気分になっても仕方がありません。上司の管理職としての能力は、部下の能力をどの程度把握し、「少し上」を要求してくるかに尽きると思います。

 結果についての責任は取るけれども、仕事の進め方は部下に任せて、報告は受けるが細かい要求はしてこない。これが理想的な上司だとすると、その逆に、段取りが悪く、丸投げで仕事を任せてくる割に周りの風向き次第で意見がコロコロ変わる上司は要注意。

 ちょっとしたミスを見つけて長い説教をしたり、過去の業績に対する独りよがりな自慢が始まるようなら、その上司とは距離を置いたほうがいいでしょう。

見分け方を知って襟を正す

 たまに出くわすのは、マナーを守らない、自分は口ばかりで他人への要求ばかりが高い、飲み込みが悪いなど、基礎能力に欠ける上司です。地道な仕事はすべて周囲に押し付けて成果だけを自分のものにする。部下は上司の私物じゃない!と怒鳴りたくなりますが、こういう人に限ってアフター5は「割り勘」にしたがること、よくありませんか。

 ということで、いい上司、悪い上司の見分け方を紹介しました。いかがですか。特に現在、上司というお立場の方、「昔、こんな上司いたな~」と他人事にするだけでなく、これらのタイプがたとえ自分とは距離が遠い存在だと感じていても、襟を正すことは大事です。
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