教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ユダヤ人迫害を生んだ「権力者・ユダヤ人・民衆」の三者関係
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(5)キリスト教と反ユダヤ思想
鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 准教授)
スペインの「スファラディーム」、ドイツの「アシュケナジーム」を中心に世界の各地へと分かれて移り住んでいったユダヤ人。しかし、キリスト教圏でユダヤ人が生きていくのは容易ではなく、さまざまな形での迫害や差別があった。なぜそれが大規模で起こってしまったのか。キリスト教と反ユダヤ思想について掘り下げながら解説する。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分25秒
収録日:2025年12月5日
追加日:2026年4月21日
≪全文≫

●「スファラディーム」と「アシュケナジーム」


―― あと、ユダヤ人の背景、今のユダヤ人といわれる人たちの源を辿っていったときによく言われるのが、「スファラディーム」という言葉と、「アシュケナジーム」です。それぞれの流れがありますよというようなことがあります。私もその言葉自体は聞いたことがあったのですけれど、初めてこの本(『ユダヤ人の歴史-古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』)で知ったのが、スファラディームがいわゆるユダヤ教の言葉でスペインを意味して、アシュケナジームという言葉がドイツを意味するということで、このあたりについてご説明していただけますか。

鶴見 古代から中世にかけて、ユダヤ人がパレスチナ以外のところにどんどん分かれて、散っていく過程で、スペイン方面に流れたユダヤ人とドイツ方面に流れたユダヤ人がいたのです。

 スペイン帝国は中世に非常に栄えたので、交易、あるいは手工業、あるいは学問などでかなりスペインあたりにユダヤ人が集まりました。

 他方でドイツのあたりにも、しばらくユダヤ人が残って、特に中世でキリスト教の信仰が高まったりしたときに、西ヨーロッパの、今のフランスとかイギリスあたりでは、追い出されたことがあったのですが、ドイツではそういう流れがありつつも、もう少し国が小さく分かれていたので、「別にユダヤ人オッケーだよ」と言ってくれる領主もいたのです。そういうところでけっこう残っていて、しばらくドイツあたりで活躍し続けました。

 その2つの大きな流れがあった中で、それぞれずっと安泰ではなくて、スペイン方面でもドイツ方面でもキリスト教がさらに強まったりとか、いろいろな流れの中で、最終的に追放されてしまうのです。(そこで、その地を)出ていくか、キリスト教に改宗するかということを迫られて、出ていった人たちがさらに別のところに移っていきました。

 そうすると、それでももともといた地域の習慣とか言語は保ち続ける傾向にあって、スペインから出た人はスペイン語起源の言葉ですが、これをずっと使い続けて、そこで培ったユダヤ教の習慣みたいなものをずっと受け継いでいきました。主にオスマン帝国は「ユダヤ人ウエルカム」と言っていたので、そこにしばらく何世紀か落ち着いて、その人たちをスペイン系のユダヤ人ということで、「スファラディーム」と呼ぶようになりまし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(2)エディプス・コンプレックスと自我
タブーを犯したい欲望…エディプス・コンプレックスとは?
斎藤環