松下幸之助の人づくり≪2≫塾設立の究極の目的
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政治の良し悪しは、戦争の上手・下手よりも恐ろしい
松下幸之助の人づくり≪2≫塾設立の究極の目的(2)PHP~繁栄・平和・幸福を行き渡らせる
経営ビジネス
松下幸之助(パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者)
松下幸之助が松下政経塾を設立するに至ったその原点は、幸之助が推進したPHP運動にまでさかのぼる。敗戦直後の日本の混乱と貧困を目の当たりにし、人間の本来あるべき姿に疑問を抱いた幸之助は、物心両面の繁栄を生み出すための人間と社会のあり方を研究し始めた。また、戦後30数年の日本の目覚ましい発展に対し、幸之助は大いなる危機感を抱いていた。その経緯と問題意識について浮き彫りにする。(第2章2話目)
時間:8分23秒
収録日:2015年6月17日
追加日:2015年12月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●戦後の荒廃からPHPへ


 そういうことで、私は疑問を持ちました。人間というものに。そのとき、ふっと考えたのは、鳥がたくさん空を飛んでいて、それが皆、栄養満腹で、栄養失調がいない。中にはいるかもしれないけれど。空を飛ぶ鳥は腹一杯食べているのに、人間は、戦争に負けたとは言いながら、戦争が済んで、これから立ち直るという段階において、こんな姿ではいけない、これはどこかが間違っている、これは一度考え直さなければいけない、ということを考えました。

 それで、人間は本来、繁栄であり、平和であり、それから幸福であること。これは、本来の人間の絶えざる願いであり、その三つには、誰一人反対する者はいない。この絶えざる願いが続いてきているにもかかわらず、時に戦争をし、時に騒動を起こし、時に人のものをとったりするというようなことが、その生活の基本方針になってしまうほど、国が荒れている。これは考えてみなければいけない、ということが日に日に強くなってきた。それで、そういうことを頭に浮かべたときに、人々にも話をしようと。それで、今の日本の再建は結構だけれども、再建の仕方に誤りがあると感じると。

 それで、どこに過ちがあるかをお互い考えましょうと。そして、運動に名前を付けなければいけない。「繁栄を通じて平和と幸福を」という名前を付けましょうということで、“Peace and Happiness through Prosperity”の頭文字をとって「PHP」ということにして、「PHP運動に参加せよ」ということを話しました。それで、梅田の駅前で僕はビラを配りました。

 戦後30年くらいになります。その間に日本の政治が良くなったかというと、物も増えてだんだんと繁栄している。そして復興しつつあるということは、一面ではいえます。しかし、他の面をみますと、復興は本当の復興ではない。復興に似たものであって、本質的には日本は困っている。今の政治が続いたならば、行き詰ってしまうと感じがするのです。

 それで、これはやはり政治というものが一番大事であると思います。前の戦争に負けたのも政治のあり方が原因。やはり、政治が良い悪いということは、戦争が上手か下手ということよりももっと恐ろしい。だから、政治というものは、本当にいい政治をやらないといけません。それにはどうしたらいいか考えた。その思いがものすご...

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