松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
常識を覆せ…「無税国家」「剰余金分配国家」は実行可能だ
松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治(2)日本を根本から検討し直す
松下幸之助(パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者)
もしも1950年に「月にわれわれ人間が行ける」と言ったら、誰も本気にはしなかっただろう。しかし、1969年、人類は史上初めて月面に着陸した。それまで夢にも考えなかったことが、実現できたのである。1980年、松下幸之助は、「無税国家」「剰余金分配国家」の実現をもって、日本を根本から見直すことを力強く宣言した。(第3章2話目)
時間:10分33秒
収録日:2015年6月17日
追加日:2016年1月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本を根本から見直す/1980年4月1日 入塾式


 私は最近、「無税国家」と「税金がいらない国家にする」と、こう話している。これは必ずできます。どうしたらできるかということも、諸君の今後の研究の材料にしてもらう。そして、現在日本は根本的に検討し直すべき時代が来ている。そういうことを皆さんに話をして、皆さんが大いに「それはそうだ」という得心がいったならば、それをすぐにやってもらいたい。


●無税国家は必ずできる


 将来の日本をどこの国よりも早く「無税国家」、ひいては進んで「剰余分配国家」にする。そのことが可能か、絶対不可能なのかということを研究材料に取り上げて、塾としては可能であると。この法を、道をもってすれば可能であるということを前提として、実現の具体案を作っていきたい。

 政治の目的はいろいろあるけれども、いたずらに国費を使って国民を困難にしているという国もあれば、国費を少なくして立派な業績を上げている国もある。また、国家の経営すら困難で、国民が路頭に迷っているというような国もある。今、世界百数十カ国のうちに、飢餓にひんしている国もある。日本のような経済大国といわれるような国もある。さまざまな国がありますが、皆、原因とするところは、国民の心掛け次第である。国民の心掛けは、実は政治のいかんによると、こうなるわけで、日本で「無税国家」というものが大事だということを発表したならば、一人、日本だけではなくして、全世界に対して、いい意味の反響が起こるだろう。そういう具合になったら、この仕事は非常に意義の深いものになる。ぜひ松下政経塾でこの研究を完成して、国に採用履行してもらうということをやりたい。

 その研究に諸君が当たってもらう。要するに、塾生諸君の協力によってその立案をする。非常にその成果として、貴い仕事だと思う。それを僕は絶対可能であると思う。僕の今までの社会生活は80年になる。その体験から推して、これは難しくはない、これは可能なことである。それを全国民が得心しないといけないから、全国民が得心するような方法をもって立案をしたならば、実行可能である。

 それで、全員に分担してやってもらいたいと思う。この仕事の一端をやってもらうことが諸君の勉強にもなり、即政治改革にもなるから、非常に好都合だと思う。

 今から30年ほどの前に、「月にわれわれ人間が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一